コロナ禍においても堅調な不動産市場を維持しているベトナムですが、外国人が不動産投資をする場合、いくつか知っておくべきポイントがあります。本記事では、現地で不動産ビジネスを展開する筆者が、「キャピタル狙い」「10年保有後に売却」を推奨する理由について、詳しく解説します。

「外国人の土地使用権は50年」という法律の深い意味

筆者はこれまでも、ベトナム不動産を外国人が購入する際の注意点について何度か取り上げてきました。ごく簡単にまとめると、「外国人が購入できる物件は限られており、かつ、特有の条件が設けられている」ということです。

 

具体的には、

 

●外国人が購入できる物件は、外国人の購入枠許可を受けた開発プロジェクトのなかで、コンドミニアムならプロジェクト内の棟の30%、Villaを含む戸建てなら、管轄地域の30%まで

 

●土地は国の所有とされているため、あくまでも「土地の使用権」「建物の所有権」の購入という形になる

 

●外国人による土地の使用権は50年

 

となります。

 

気をつけていただきたいのは、「外国人による土地の使用権は50年」という条件についてです。土地の場合、50年の延長が一度だけ可能とされています。コンドミニアムも50年の土地使用権と建物所有権が決められており、延長が可能といわれていますが、こちらは具体的な年数が決められていません。

 

外国人が購入できる中古物件は、「外国人枠で、外国人が購入した物件」のみとなります。その際、土地の使用期間や建物所有期間は、以前の所有者から引き継ぐことになります。

 

上記のように、ベトナムでは外国人が不動産を所有する場合にはさまざまな制限があるため、それらをしっかりと理解しておくことが、現地の不動産投資に不可欠です。

 

都市鉄道の運行がスタート、周辺地価は上昇の見込み

ここからは、筆者が拠点としているホーチミン市を中心に、ベトナム不動産投資成功のポイントについて、具体的に解説していきたいと思います。

 

 1.「キャピタル狙い」重視で 

 

ベトナムでの不動産投資を考えるなら「キャピタル」を狙いましょう。とくにホーチミン市では、それに適した物件が出てくると予想されます。下記にその理由をまとめます。

 

➀インフラ整備の進展

ハノイ市とホーチミン市では、都市鉄道の運行が開始予定。ハノイでは10路線、ホーチミン市では6路線を計画しており、双方とも2021年から、路線工事が完成した順に運行開始予定となっている。

 

➁ 都市鉄道駅周辺での開発

駅周辺の開発も目白押し。ホーチミン市では、始発のベンタン駅前と駅前に建設中のツインタワービルがつながる予定。やはり駅とつながった地下街も建設中で、ほかの駅前周辺の開発も含め、狙い目。ホーチミン市の都市鉄道1号線駅周辺は、すでに商業地域として用途変更されている箇所もあり、駅周辺の開発が活発化する見込みとなっている。

 

➂ 東部都市開発地域

ホーチミン市は政府に、地区東部の具体的な開発プランを提案・申請中。内容は、同市の2区・9区・トゥードゥック区を統合して都市区を造成するというもの。2区は金融特区に、9区はサイゴンハイテクパークに、トゥードゥック区は大学を中心とした教育テクノロジーセンターなどを含めた未来都市地区にするなど、多くの開発計画が盛り込まれている。グエン・スアン・フック首相は統合を支持する考えを示し、将来的には、都市区だけでホーチミン市の経済の3割、国全体の5%を担うことを目指している。

 

【ポイント】

筆者がお勧めしたいのは、来年運行予定の都市鉄道1号線の駅近・駅直物件です。ベトナムではいまのところ、電車の利便性がそれほど意識されておらず、中心地から距離がある駅近・駅直物件は割安価格のものが多いため、お勧めです。都市鉄道1号線10駅目以降であれば、平米単価2,000USD以下の駅直・駅近物件が狙い目です。

2番目にお勧めなのは、教育テクノロジーセンター等を含む大学や専門学校地区、ベトナム側向けのミドル物件です。物件数は多いのですが、割安価格と学生向け賃貸という特性を武器に、集客力を強化しながら上昇を狙います。トゥードゥック区、教育テクノロジー区であれば、平米単価1,500USD以下のミドルクラス物件もターゲットになるでしょう。

 

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