新型コロナウイルス感染拡大で株式市場は混乱していますが、「ステイホーム」でとにかく時間だけはある、という個人投資家も多いでしょう。こんなときだからこそ、何となく行っていた株式トレードを基本に立ち返り学ぶ良い機会です。本記事では、株式投資の勉強を始める前に知っておきたい、株式トレードの根幹について解説します。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

初心者が陥りやすい「株式トレード」3つの過ち

新型コロナウイルスの感染拡大で、株式市場は混乱しています。一方で株価が下落した今こそ、漠然と儲かるといいなと思いながら、なんとなく証券口座を開き、お金を振り込んで始めてしまう人が多いようです。そして、最初の損失で目を覚まして勉強を始めるということになります。株式トレードの世界は「9割の人が負ける」、厳しい世界です。お金儲けをしたい気持ちから、株式トレードをはりきって始めるのは良いのですが、株式トレードに必要な心構えについて考えてみましょう。

 

心構えについて、一般的に初心者が陥りがちな罠が3つあります。それは「短期で大儲けを狙う」「少額で何倍も儲けようとする」「楽をして利益を狙う」の3つです。雑誌やインターネットのブログでは、いかにも簡単に儲けれられるようなことがかかれていることがありますが、信じないでください。実際、保有した銘柄が10倍になることもありますが、それを意図的に自分の利益にするには、知識、精神共に高いレベルを要求されます。結果だけ見て自分もできるとは思わないようにしましょう。

 

株式トレードの基本は、急がば回れです。ビギナーズラックで大金を儲けても、それを続けるには、お金を増やせる心構えと継続的な勉強が必要であることをしっかり心にとめておきましょう。

 

初心者が陥りやすい罠に引っかからないで
初心者が陥りやすい罠に引っかからないで

株式トレードの実力を付けるには習慣化が大事

株式トレードで勝ち続ける実力を付けるには、心構えや勉強が重要ですが、それよりも大事なことがあります。それは習慣化です。今はネットを探せば勝てるトレード手法や、株価に影響を与えそうな情報は簡単に手に入ります。しかし、それを生かして利益を上げ続けられるようになるには習慣化が必要です。ここでは習慣化すべき3つの項目について解説します。

 

1つ目は「勉強の習慣化」です。株式トレードで勝てるように知識を付けるには勉強しなければならないことは、誰でもわかると思います。そして、非常に多くの知識を持っている方がたくさんいます。しかし、それでも9割の人が負けるのです。特に初心者の方は、一日一時間を毎日勉強に充てられるよう習慣づけてください。

 

2つ目は「投資できる資金の明確化」です。株式トレードを始める時はまず証券口座に入れるお金を考えると思います。しかし、トレードをはじめて勝ち負けを繰り返すうち、欲に負けたり、損失を取り戻したくなり、投資のため余裕資金ではなく生活費に手を出し資金を追加する人が多くいます。これは株式トレードで失敗する典型的パターンのひとつです。これを避けるためにも、常日頃、投資資金の明確化を忘れずに行うようにしてください。

 

3つ目は「損切りラインの明確化」です。損切りをはっきりさせないまま、株式トレードを行っている人は意外と多くいます。これがあるだけでコロナショックのような急激な相場変動であっても相場から退場するような資金の減らし方をするリスクがなくなることに加え、自分のトレードを振り返り、勉強しなおす部分が見えてくるようにもなります。

 

以上の3つが、習慣的に確認するべきことです。株式トレードを始めるとわかりますが、銘柄探しやチャートの勉強に、気持ちと時間を取られがちになります。しかし、大本の資金や時間の管理をしっかりしていないと、勝ち続けられるようにはならないと思ってください。

勉強の最初のアウトプットは質疑応答で

これまで株式トレードに勝ち続けるための心構えと、必要な3つの習慣化について紹介してきました。これらを踏まえたうえで、いよいよ株式トレードの勉強を始めます。ここでは世の中にあふれているファンダメンタルズ分析やテクニカル分析については割愛しますが、ひとつ強調しておきたい点があります。それは、最初のアウトプットを株式トレードの実践ではなく、誰かに質問することにしてほしいということです。

 

あなたは多くの知識を勉強し、頭の整理がついてくると必ず疑問に思うことができるはずです。その疑問を株式トレードで勝ち続けている人に質問してみてください。そして、その回答を咀嚼したとき、自分の感覚に変化が起こることを感じてください。株式トレードには学校のテストのような正解はありません。株式トレードは、自分がトレードして、その結果を損益で受け取ることで一区切りとなります。質問と回答の咀嚼は、感情ではなく、頭で処理して次の行動に移れるように練習する意味合いがあります。

 

株式トレードで勝てない人には、損益を感情的に受け取って、同じ失敗を繰り返す人がたくさんいます。それは、自分が起こした行動に対する結果を、処理する力が備わっていないからと言えます。株式トレードの勉強は、知識を付けることではなく、利益を得る方法を実践するためのモノです。知っているつもりになって、せっかく勉強した知識を無駄にしないためにも、実践シミュレーションのつもりで的確な質問と、その回答の処理を経験してください。

 

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