スリランカ航空の経営悪化で問われる前大統領の責任

photo by "ken H" on flickr

スリランカのナショナル・フラッグ・キャリアであり、成田空港にも乗り入れているスリランカ航空。その経営が悪化し、今後の見通しについて懸念が示されています。エミレーツ航空との提携のなかで黒字を出してきたスリランカ航空でしたが、その提携解消後に経営は悪化しており、判断を下した前大統領の責任を問う声が上がっています。

税金で補填されてきた巨額赤字

「スリランカ航空で旅をすれば、彼らに利益は生まれますが、実際は全てのスリランカ市民がお金を出しているのです。もし人々がお店で何かを買ったとしても、そこで発生する税金が、彼ら航空会社に支払われています。果たしてこれがフェアだと言えるのか、疑問があります」とラニル・ウィクラマシンハ首相は批判をする。

 

1998年、当時のクマーラトゥンガ政権は、不振にあえぐスリランカ航空の40%の株式をエミレーツ航空に与え運営を委ねた。

 

「これはよい選択でした。これは(当時の)政権政党が私たちと違ったとしてもそう評価されるべきです。」

 

しかしその後を引き継いだラジャパクサ前大統領とスリランカ航空との間で確執が生まれ、最終的にはナショナル・フラッグ・キャリアは国営であるべきだとして、政府は株式を買い戻し、エミレーツとの資本提携を解消した。

 

「しかし現実には、はるかに多くの借金があったのです」と前政権の対応を批判する首相は語る。そしてスリランカ航空は以後、赤字を生み出し続けることになった。

 

また首相は「航空事業は競争ビジネスであり、電力のような独占事業とは異なります」と述べて、同社の経営体質についても疑問を投げかけた。スリランカ航空は2008年に5,113人だった従業員を、2015には6,987人に増やし、運営コストを増大させてきたのだ。

 

「いったい何が起きているのでしょうか? 従業員が30%も増えています。航空機1機当たりでは300人ものスタッフがいます。この数は、それぞれの航空機の座席数よりも多いのです。多くの機体は140席しかありません」

不正が疑われる航空機リース契約

さらに疑惑を生むのが、航空機のリース契約である。

 

スリランカ航空は毎年、国庫より1億ドルを赤字の穴埋めのために受け取っていた。それにも関わらず、無謀にもエアバス社製A330やA350の導入を決めた。さらに、その決定過程には不明瞭な点が指摘されている。

 

エアバス社の航空機契約を決定したスリランカ航空の役員会は、ラジャパクサ前大統領の兄でもある国会議長宅にて行われていたのだ。そのうえ、スリランカ航空の代表は、ラジャパクサ前大統領の義理の兄弟にあたる。

 

「国会議長には関係のない話です。国会議長が関わりをもつべきではないとは言いませんが、役員会が国会議長宅で行われるべきではありません。なぜ国会議長宅で行われたのか疑念がもたれます。またそこには他に誰が同席していたのでしょうか」と首相は語り、さらに疑問を投げかけた。

 

「航空専門家によれば、今回のリース契約は通常より25%も高く、さらに精査が必要だとのことです。また今後12年間のリース負担額は15億ドルにもなります。これは経済犯罪なのです。我々はきちんと調査する必要があります。」

 

今後、スリランカのナショナル・フラッグ・キャリアがどうなるのか、注目される。

この記事は、GTAC提携のスリランカのニュースサイト「EconomyNext」が2016年3月24日に掲載した記事等を元にして、GGO編集部でまとめたものです。

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