新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府による経済対策への期待が高まっています。現金給付案が有力のようですが、余裕のある方は生活資金ではなく、株式投資という手もあると思います。2009年のリーマン・ショックの当時を振り返りながら、どのような投資を行えばよいのか、考えてみます。

政府の経済対策で目玉は「現金給付」

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策について、報道によると、現金給付案が有力となってきています。一時は「お肉券」や「お魚券」の配布が検討されたようですが、世論の反発を受けて、当初の政府(自民党)案通りに現金を直接配る方針のようです。

 

SNSやインターネットのニュースでは「『お肉券』『お魚券』ではなく、何にでも使える『日本銀行券』を配布へ」という見出しもみられます。

 

安倍総理大臣は4月1日の参議院決算委員会において、4月6日からの週に緊急経済対策をとりまとめるとした上で、前例にとらわれることなく、思い切った措置を講じていく考えを示しました。

 

政府の経済対策では、現金20万円を配布する案が有力と報じられている。
政府の経済対策では、現金20万円を配布する案が有力と報じられている。

 

この経済対策では「消費税率引き下げ」案も自民党内で待望論が広がっており、有力とみられますが、現時点の目玉は現金給付です。

 

現金を配るとして、その金額や配り方は政府内でもいろいろ意見があるようですが、「一律に全国民に対して10万円」が当初の政府(自民党)案でした。

 

これが、富裕層に配るのはおかしいとか、シングル世帯に傾斜配分すべきとか、配るならば漁業や農業関係者を助けるために「お肉券」、「お魚券」にすべきといった話になったのですが、事務手続きが難しいといったことを理由に、現金給付案に戻ったようです。

 

それも、4月3日の午後になって、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策の柱となる現金給付について、所得が一定程度減少した世帯に対象を絞り、1世帯30万円を支給する方針と、時事通信が伝えています。

 

1世帯当たり2枚のマスク配布で終わるのかと思われましたが、条件付きであるものの、どうやら現金給付もあるもようです。

リーマン危機では1人あたり1万2,000円を配布した

もちろん、正式決定しなければ、どう決まるかわかりません。今回は仮に「現金30万円を給付」として、話を進めたいと思います。

 

かつて、リーマン・ショックを受けた景気刺激策として、2009年に1人当たり1万2,000円の「定額給付金」を配布したケースがあります。この時にマネー雑誌や投資情報サイトでは「1万2,000円で買える株」という特集が散見されました。

 

これはまじめな話であり、生活に余裕のない人は生活資金として活用し、一方で生活に余裕のある人は株価対策のため、1万2,000円で金融商品を買おうというものでした。

 

リーマン・ショックで日本株は暴落し、多くの銘柄が安値に放置されていました。金融不安に端を発した混乱であるため、金融株が特に暴落しており、地方都市を拠点とする地方銀行の中には株価が2ケタのものも見受けられました。

 

ただ、1万2,000円ではさすがに買える株は限られました。100株単位の銘柄であれば、株価が120円以下でなければなりません。

 

それが今回、「現金30万円を給付」となれば、選択肢はだいぶ広がります。

株式投資で30万円あれば選択肢が広がる

ヤフーファイナンスに便利な機能があります。「株式」→「株主優待」とたどると、優待の種類や最低投資金額、権利確定月から銘柄を探すことができます。

 

このうち「最低投資金額から探す」の中の「10万円未満」、「10~20万円未満」、「20~30万円未満」をクリックすると、30万円以内で買える銘柄を選べます。100株単位の銘柄ならば株価が3,000円以内のものを、REIT(不動産投資信託)のように1株(口)単位のものであれば株価(投資口価格)が30万円以内のものが出てきます。

 

これに株主優待の種類や権利確定月といった情報も加味し、銘柄を探しましょう。配当利回りは低くても、株主優待の魅力的な銘柄もあります。

 

政府や自治体から30万円が支給されて、そのままにしておくのではなく、経済のために使いましょう。飲食や旅行などの「消費活動」で今すぐに使う予定がなくても、とりあえず株式市場に資金を移しましょう。せっかく株を買うのですから、株主優待に着目して選ぶのも一考です。

 

生活に余裕のある方、富裕層の方には、ぜひ実行に移していただきたいと思います。

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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