春になって外を出歩きたい季節ですが、新型コロナウイルスの影響で外出しづらい状況です。東京都に続いて、近隣各県でも外出自粛要請が出てきました。ますます「巣ごもり」の人が増えそうですが、その恩恵を享受できるセクターとして、ゲーム各社に注目します。

「外出自粛要請」で大人も外出しにくいムードに!?

新型コロナウイルスの感染者拡大を受け、3月25日夜に小池東京都知事の「外出自粛要請」に関する会見が行われましたが、翌26日には、埼玉県など近隣の各県でも足並みをそろえる動きが出てきました。

 

政府による学校の一斉休校要請で、生徒・学生が外を出歩きづらいとか、親が子を連れて公園や近所のスーパーマーケットに行くと他人から注意されるといったことがニュースでしばしば伝えられていましたが、ついに、大人も外を出歩きづらくなる可能性が出てきました。

 

「外出自粛要請」で閑散とする商店街が増えそう。
「外出自粛要請」で閑散とする商店街が増えそう。

 

先に「緊急事態宣言」が出された北海道では、不要不急の外出どころか、仕事でどうしても出勤しなければならない人でも、「外を歩いていて、大丈夫ですか?」とテレビのリポーターが大通公園でインタビューをしている(あるいは、とがめている)様子がテレビの情報番組などで見受けられました。こんな感じで「外出してはならぬ」というムードが醸成されていったとの指摘も聞かれます。

 

ただ、家にいてテレビばかり見ているかとなれば、それも飽きてきます。ふだん忙しい大人に時間ができて、その恩恵を享受できるセクターの1つが、ゲーム各社です。

 

もともと、3月から4月にかけては、日本ではゲーム株が堅調に推移するケースが多いです。それというのも、ゴールデン・ウィーク(GW)を目前に控えて、GWにヒマでゲームをやる人が増えるだろう→ゲーム各社の業績にプラスになりそう→ゲーム株が上昇といった、鉄板の「方程式」に関する思惑が投資家の間に広がります。

 

3月20日に、任天堂から「Nintendo Switch」向けの完全新作『あつまれ どうぶつの森』が発売されていますが、このほかにも各社から、新作発表や大型アップデートがこの時期に相次ぎます。これは、GWに向けての施策と言えます。

 

これが今年に限って言えば、「外出自粛要請」によって「特需」が期待できる状況なのです。

ゲーム株は大人の「巣ごもり」増加を追い風にできそう

ここまで、日本国内の状況をみてきましたが、新型コロナウイルスの影響で外出したくてもできないというのは、海外でも同じです。

 

したがって、国内事業が主力の企業よりも、海外展開も行っている会社の業績に、より一層期待が持てるでしょう。中国や北米などで「ガンダム」、「ドラゴンボール」の2枚看板を武器に、地道に種まきをしてきたバンダイナムコホールディングスは、この春に花が開く楽しみがあります。

 

バンダイナムコホールディングス(7832)日足チャート 【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】
バンダイナムコホールディングス(7832)日足チャート
【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】

 

直近の決算では、国内のトイ事業やアミューズメント機器に弱含みがみられたものの、中長期的な視点でみれば、海外のトイホビー事業、家庭用ゲーム、モバイルゲームと幅広く手掛けており、同業他社に比べると安心感があります。

 

短期的には新型コロナウイルスの悪影響の部分もありますが、これはどの会社も同じです。

 

任天堂では、中国における生産ストップで「Nintendo Switch」本体が品薄になっているとか、コナミでは、他社施設の感染者拡大でスポーツクラブへの懸念があります。それに比べるとバンダイナムコは安定しており、大人の「巣ごもり」増加を追い風に、新型コロナウイルスに伴うマイナスの部分をカバーできそうです。

 

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