「人生100年」が現実となった現在、将来への不安から副収入を求めるサラリーマンが増えています。資産運用として人気の動産投資ですが、なかでも「中古ワンルームマンション」は比較的ローンも通りやすく、老後生活を補う収益も期待できるため、お勧めです。ここでは、一般的なサラリーマンが不動産投資で成功するノウハウをわかりやすく紹介します。※本記事は『年収500万円のサラリーマンが不動産投資で成功したければ「中古ワンルーム」を「物上げ業者」から買いなさい』を抜粋・再編集したものです。

知識が足りない、大手ブランドに弱い、あとひとつは…

プロから見ると「失敗しようがない!」と思える中古ワンルームマンションへの投資でも、開始後すぐに行き詰まってしまう人が少なからずいます。

 

「なぜそのような事態になるんだ?」

「本当は素人には気づきにくい大きな落とし穴があるんじゃないか?」

 

だんだんと心配になってくる人もいるでしょう。実は、中古ワンルームマンションへの投資で失敗する要因は、あまり多くありません。失敗に終わるケースでは、次の3つのどれかに当てはまります。

 

「失敗しようがない」のに失敗してしまう要因は3つ
プロから見れば「失敗しようがない」投資だが…

 

1.知識不足

 

私たちの会社には、「不動産投資のことならなんでも知っています」という人から、「利回りってなに?」「管理費ってなに?」「修繕積立金ってなに?」といった人まで幅広い知識レベルの人が相談に来ます。

 

そのなかで失敗経験があるのは、やはり圧倒的に知識不足の人が多いといえます。投資をするなら、少なくとも入門書を1冊は読んでおいたほうがいいでしょう。

 

しかしながら、入門書では絶対に分からず、かつ、必ず知っておかなければならない知識があります。

 

それは相場です。

 

失敗している人のほとんどは、相場を知らずに割高な物件を購入しています。例えば、営業担当者に勧められるがままに、月の収支がプラスマイナスゼロ以下の物件を買ってしまうのです。

 

このような物件は、不動産会社が作成した収支計画書を見ると損をしないように感じられますが、実際は赤字物件です。なぜなら、家賃収入の部分でプラスが生まれない状態で、固定資産税を支払わなければならないからです。さらに管理費は年月とともに少しずつ確実に値上がりします。その分赤字額も年月とともに増えていくでしょう。

 

であるにもかかわらず、赤字物件を販売する担当者は、次のような営業トークでクロージングを仕掛けてきます。

 

「収支がプラスマイナスゼロでも、減価償却によって節税は実現できます。ですから、実際は黒字なんです。それにローン返済は家賃から支払えるので、プラスマイナスゼロということは、タダで投資用マンションが手に入るようなものです。さらに完済できれば、その後の家賃は丸々利益ですよ。やらない手はないでしょう」

 

相場を知らない人は、このトークで契約を結ぶ決心をしてしまいます。

 

しかし、断言しますが、収支がプラスマイナスゼロになるような物件は、販売価格が高すぎです。営業担当者から物件の紹介を受けたらまず、「楽待」や「健美家」「ホームズ」など投資用物件を数多く紹介しているサイトを参考に、周辺の似たような条件の物件の価格を調べてみましょう。ある程度の相場感を身につけてから、紹介された物件が割高でないか判断をするべきです。

 

2.「大手」というブランドに弱い

 

自分のニーズに合わない物件を買ってしまう=失敗する原因に、「大手不動産会社だから盲目的に信じてしまった」というケースがあります。

 

「子どものころから会社名を知っていたから」「テレビコマーシャルで知っていたから」という理由だけで安心し、営業担当者に紹介された物件を、現物も見ずに即決してしまうのです。

 

もちろん、大手の扱う物件のすべてが悪いという訳ではありません。しかし多くの大手不動産会社は、過去に自社で建設した割高な物件を優先的に売ろうとします。ですから、大手が自社物件を紹介してきたときは、特に「価格が高すぎないか」「本当に自分のニーズに合っているのか」などを確認しましょう。

 

3.リスク(不確実性)の確認をしない

 

基本的に営業担当者は、法律で決められた事項以外は、お客さまがワクワクするようなことしか言いません。法律で定められた事項というのは、例えば「その部屋で自殺者が出た」「近くに火葬場がある」といった心理的に好ましくないことです。

 

そのため「過去の空室状況」「家賃下落の可能性」「原状回復のコスト」といった、オーナーにとって不利な情報の告知義務がないので、何も教えない、というのが当然とされています。

 

一般的な不動産投資会社は、「リスクを確認するのはお客の役目」というスタンスなのです。

 

しかし、比較的手軽に始められる中古ワンルームマンション投資においては、この基本リスクである「空室」「賃料下落」「原状回復(修繕)費用」さえも自分から確認しないのが現状です。

 

また、物件を紹介する不動産投資会社自体が信用できるか否かもリスクのひとつと言えます。

 

このような基本リスクさえも確認しない人が購入し、その多くが失敗してしまうため、「ワンルームマンション投資=怖い・怪しい」というイメージがつきまとうのでしょう。

失敗の原因は「割高な物件の購入」に集約される

中古ワンルームマンションへの投資で行き詰まる人のほとんどは、これら3つの要因のいずれかに相当します。したがって、事前にこの3要因の詳細を知り、対処しておけば失敗する可能性を格段に低下させることができるのです。

 

しかし、その対処方法を考える前に、何より重要なことを理解しておかなければなりません。それはこれら3つの要因によって生じる根本的な失敗の原因を理解し、絶対に避けるということです。

 

根本的な失敗の原因。それは「割高な物件を購入している」ということです。

 

●相場を知らないから割高な物件を購入してしまう

●大手を盲目的に信じるから割高な物件を購入させられる

●リスクを確認しないから割高な物件を購入してしまう

 

結局、失敗の原因の大半は、「割高な物件を購入している」ということに集約されるのです。

割高なのに購買意欲が…注意が必要な「営業トーク」

多くの不動産投資会社の営業担当者=プロは、あの手この手で割高な物件を勧めてきます。そのほうが会社の利益=担当者の利益になるからです。

 

このような営業担当者は、耳触りのいいことしか言いません。ところが、普通に聞く限りでは「この人はやっぱり自分の味方だ」と感じられてしまうような言葉でも、実は営業担当者が成績を上げるためだけに発していることが多々あるのです。ここでその代表的な例を紹介しましょう。

 

「売りに出たばかりの物件です!」

 

これは非常に頻繁に使われる営業トークです。言われたほうは「なんてラッキーなんだ!」と舞い上がってしまうでしょう。

 

しかし、残念ながらどのお客さまにも同じように言っているケースも少なからずあります。購入を決断させるのに効果的で、素人には根拠を調べようがないからです。似たようなトークに「未公開物件です」「一番にご紹介します」などがあります。

 

「節税できますよ!」

 

実は営業成績のいい担当者ほど、物件それぞれが持つ特徴をアピールしない傾向があります。なぜなら、その物件で決まらなかった場合、次の物件が勧めにくくなるからです。

 

では、何をアピールするのか? それは節税効果です。これならば利回りの低い物件でも効果があることは事実なので、営業がやりやすくなります。極端な話になりますが、たとえ1年間空室の物件だろうが、事故物件だろうが、減価償却さえできれば節税効果はあるのです。

 

この詳細については本書(『年収500万円のサラリーマンが不動産投資で成功したければ「中古ワンルーム」を「物上げ業者」から買いなさい』)第6章で説明しますが、物件によって節税向きのものとそうでないものとが、間違いなくあります。投資目的が節税ならば、より節税向きの物件を選ぶべきでしょう。

 

ですから、どの物件に対しても節税効果ばかりを強調してくる営業担当者は、「とにかくどんな物件でも勧めてしまえ」と考えているフシがあるので注意が必要です。

 

「一括借上契約が可能なので安心です!」

 

前述のようにサラリーマン大家が爆発的に増えた代表的な要因のひとつは、一括借上契約にあります。

 

オーナーとしては、空室の有無にかかわらず毎月一定の家賃が入るので、一括借上契約は非常に大きな安心材料になると思われがちです。

 

そのため、営業トークの中には、この契約を強調するケースが少なからずあります。しかし、この契約はまったく安心材料にはなりません。そもそも保証される設定賃料は、「絶対にこの金額なら入居者募集に困らない」という金額からさらに10%前後の手数料が差し引かれたものです。したがって、周辺の家賃相場よりもかなり低いはずです。

 

また、その設定賃料の決定権はオーナー側には一切ありません。契約更新のタイミングで管理会社から「下げます」と言われて「嫌です」と答えれば、「では更新しません」とはねつけられてしまいます。また、売却しようとしても本書(『年収500万円のサラリーマンが不動産投資で成功したければ「中古ワンルーム」を「物上げ業者」から買いなさい』)第4章の失敗事例にあるように、次のオーナーに契約内容を引き継がなければなりません。その結果、売却先が見つからず、売りたくても売れないという事例が頻発しているのです。

 

多くの場合、物件を紹介する不動産投資会社は、一括借上を行う管理業務も兼務しています。ですから一度この契約を結んでしまえば賃貸経営の主導権は、すべて不動産投資会社=管理会社に握られるということになります。

 

要するに、物件の販売時に一括借上を強調するということは、お客さまに安心を提供するためではなく、販売後も自分たちが利益を得るためというケースが多いのです。

 

「なんとか売主と交渉してみます!」

 

値引きなどをお客さまから要求されると、この言葉を発する営業担当者がいます。ほとんどの人はこの言葉には「かなり難しい交渉になりますが、お客さまのためにベストを尽くします!」というニュアンスが含まれていると感じるでしょう。

 

しかし実際はお客さまが気づいていないだけで、売主がその販売会社であるケースがほとんどです。つまり、自社物件なので聞くまでもありません。

 

したがって、この言葉の裏には「がんばった姿勢を見せて、値引きできないことを納得してもらおう」という狙いがあるのです。

巧みな営業トークの「ウラ」を見抜くには?

以上のように、普通の人が聞けば誠実だと感じられる言葉でも、実は不動産投資会社の利益のみを考えた言葉がたくさんあります。そのような不動産投資会社が販売する物件の多くは割高です。

 

では、素人が巧みな営業トークを見抜く方法はあるのでしょうか? 考えられる方法はいくつかあります。

 

例えば「売りに出たばかりです」や「未公開物件です」のセリフに対しては、レインズの登録日や登録の有無を見せてもらうという方法があります。本当に登録されたばかりだった、あるいは登録自体されていなかったなら、その営業担当者はひとまず「誠実」であると判断できるでしょう。

 

「一括借上契約が可能なので安心です!」のセリフに対しては、周辺の競合物件の利回りと比較して低めに設定されている場合、特に要注意です。利回りが低いということは、得られる利益が少ないということです。つまり、一括借上契約を結んでも不動産投資会社の旨味も少ない。それなのに一括借上をお勧めするということは、通常よりも手数料が高いなど、何か裏があると考えたほうが無難です。

 

「なんとか売主と交渉してみます!」のセリフに対しては、率直に「御社が売主ではないんですか?」と聞いてみましょう。もしかしたら売主であっても「違います」と言い切る営業担当者もいるかもしれませんが、反応を見れば怪しいかどうか判断がつくこともあります。

 

そこで反応が怪しければ、「売主でない=売主と媒介(仲介)契約を結んでいる」はずなので、その書類を見せてもらうという方法もあります。

 

とはいえ、これから自分の財産を託すパートナーとなるかもしれない人に、このような疑いの行動に出るのは躊躇してしまうでしょう。

 

皆さんの目的は、「割高な物件を買わない」=「適正価格で買う」というところにあります。それならば、実は海千山千の営業担当者のトークの裏を見抜くよりも圧倒的に簡単な裏技があります。この方法を理解するにはまず、中古ワンルームマンションならではの流通システムを知る必要があります。

 

 

桑田 泰

エステージェント株式会社 代表取締役

 

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幻冬舎メディアコンサルティング

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