最終的に株式を一気に渡す「3年計画型」は、3年間の決算期を使って承継直近の利益を最大限圧縮し、株価を限りなく0円に近づける方法です。そのプランニングの要点をご紹介します。

計画から実行まで「3年計画型」がおススメ

会社を後継者に引き継ぐ際、株価をできるだけ引き下げておけば、贈与税や相続税などの税負担を軽減することが可能となり、同時に後継者は、自社株式の保有率を高めることができる。これが事業承継の鉄則です。

 

その結果、後継者は事業承継後も引き続き健全な財務状況と安定した経営権の下で、あなたが育ててきた会社をより一層発展させるに違いありません。

 

自社株式の承継では、必要に応じて毎年少しずつ時間をかけて株を渡す「長期分割型」を併用しながら、最終的に短期間で株を渡してしまう「3年計画型」を活用するのが理想です。後継者に一気に渡すことで、会社の指導体制が変わったことを内外に印象づけられ、スムーズな事業承継を実現できます。

4年目以降は毎年の見直しも重要に

理想の承継時期は、後継者選び、新規事業計画、株価、財務内容などの事情があるため、それぞれの会社によって異なります。このため、事業承継を決意したとき、オーナー社長は自分の会社をどのように次の代に譲るかというポリシーをもち、それに則ったあなたの会社にとっての承継の“ベストプラン”を立てておく必要があるのです。目標は、株価を最大限引き下げること。そして株式は100%を後継者に譲り渡すことです。
 
「3年計画型」は、3期分をトレースすることで一番有利な承継時期を選択できますし、承継のための株価操作ではないことを証明するためにも、最低限必要な期間が3年というわけです。
 
4年目以降は、事業承継のポリシーにしたがって、毎年承継プランを見直します。財務内容、事業展開、株価、景気変動や社会情勢などを勘案し、あわせて後継者の成長を見ながらプラン修正していきます。
 
こうした一連の承継のための準備を整えておくことで、例えば、株が大暴落した2008年のリーマンショックのような局面を逆手にとって、自社株式の価額がほぼゼロに近い状態で一気に承継してしまう。事業承継において、そのようなことを可能にするには入念な準備と、毎年の見直しこそがとても大切なのです。

 

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