海外には、歯磨きの方法やお風呂の入り方といった日常の習慣を教える歌がたくさんあります。子どもに英語の歌を通じて教えれば、英語を学びながら生活習慣も身につき、合理的です。子どもと一緒に歌ってもいいですし、時間になったら歌を流すなどしてみてもいいでしょう。本記事では、幼児英語教育研究家の著者が、英語によるコミュニケーションがもたらす意外な副次的効果を取り上げます。

日常動作を覚えながら、英語を自然に身につける

西洋にはTooth Fairy(歯の妖精)の言い伝えがあり、子どもの歯が抜けたとき、それを枕の下に置いて寝ると、夜の間に歯の妖精がそれをコインに交換してくれると言われています。

 

今でもその言い伝えのとおり、子どもの歯が抜けると枕の下に置くという習慣があります。子どもが朝起きると、歯がコインに変わっていてビックリ! これはもちろん、子どもが寝ている間に親がすり替えておくのですが…。

 

この言い伝えにちなんで、海外の子ども向けの歯磨き粉に妖精の絵が描かれていたり、また妖精が歌いながら歯磨きの仕方を教えてくれるという動画があったりします。

 

こういった歯磨きの仕方、お風呂の入り方、着替えの仕方などを教えてくれる歌を利用して、子どもに英語で歌いながら日常の習慣をこなす方法を教えましょう。

 

親が歌ってあげてもいいのですが、自信がなかったら、歯磨きの時間になったら歯磨きの歌を流す、お風呂の時間になったらお風呂に入るための歌を流すなどするといいでしょう。日本語にも「はみがきの歌」があり、これを聞きながら歯磨きの仕方を習った人も少なくないはずです。

 

これを英語で聞くことで、brush your teeth(歯を磨く)、wash yourface(顔を洗う)といった表現を覚え、自分でもそれを言うことができるようになります。身近な習慣を表す英語の歌は、例えばYouTubeで下記のようなキーワードで検索することで見つけることが可能です。

 

《身の回りの習慣を表す英語のキーワード》

brush your teeth ⇒ 歯を磨く

wash your face ⇒ 顔を洗う

wash your hands ⇒ 手を洗う

put on your clothes ⇒ 服を着る

bath song ⇒ お風呂の歌

potty song ⇒ トイレの歌

 

「お気に入り」を紹介するプレゼンテーションごっこ

英語圏の子どもは、小さいころから自分の意見を口にし、人と意見を戦わせるというコミュニケーション方法を学びます。英語を話すということは、単に言葉を英語にすればいいだけではありません。自分の考えをまとめ、それを表すための適切な言葉を選び、聞く人が納得するよう説明するというテクニックを身につけなければならないのです。

 

私は娘が小さいころ、『EvanTubeHD』(http://www.youtube.com/user/EvanTubeHD)という子ども向けのプレゼンテーション番組の動画を一緒に見ていました。

 

プレゼンテーションといっても難しいものではなく、新しいおもちゃの使い方をいろいろ試して紹介したり、お菓子を食べてどれが何味か当てたりするという子どもらしいものです。

 

内容は他愛がないのですが、最初に「今日は○○をします」と発表し、おもちゃやお菓子の様子を客観的に描写してみせるところは、大人のプレゼンテーションと共通するものがあります。娘はこれをまねて「My Toy Review」(私のおもちゃレビュー)というテーマで、お気に入りのおもちゃの使い方やそのよしあしを評価するプレゼン用紙を作り、私の前で発表してくれました。

 

パソコンやプロジェクターがなくても、紙に絵や文字を書けば、プレゼンテーションの用意は整います。例えば親がそれをビデオに撮ってあげて、後で一緒に見ると、親子で一緒に楽しめるプレゼンの遊びになります。子どもが上手にプレゼンをすることができたら、思い切りほめてあげましょう。

 

幼児期の子どもは大人の指摘に対して容易に萎縮してしまいがちなので、物足りないと思うことがあっても、あえて触れなくてよいと思います。改善できる点をアドバイスしてあげるのは、子どもが小・中学生くらいになってからでいいでしょう。

 

なお、最近日本でも、『Kan & Ak’i s CHANNEL』という、子どもがおもちゃのレビューをする動画が人気を集めています。商品の見せ方など、プレゼンテーションのお手本の一つとして、参考にしてみるといいかもしれません。
 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

 

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三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

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