相続・事業承継 相続対策 贈与
連載知っておけば親を動かせる、相続税節税50のコツ【第21回】

老人ホーム入居者でも適用可能な「小規模宅地等の特例」

小規模宅地等の特例二世帯住宅老人ホーム

老人ホーム入居者でも適用可能な「小規模宅地等の特例」

前回は、小規模宅地等の特例の留意点、二世帯住宅での適用条件について見ていきました。今回は、小規模宅地等の特例が老人ホーム入居者に適用される要件や、自宅をリフォームして相続税を軽減する方法について見ていきます。

平成26年1月1日より適用要件が緩和

平成26年1月1日より、被相続人が有料老人ホームを利用している場合の、自宅に対する小規模宅地等の特例の適用要件が緩和されました。


老人ホームには、特別養護老人ホームと有料老人ホームがあります。特別養護老人ホームは自宅に帰ることを想定した施設であるため、住所さえ移転しなければ、自宅に小規模宅地等の特例が適用できます。


一方、有料老人ホームはそこに住み続け、最期もそこで迎えることを想定した施設と見なされ、自宅に小規模宅地等の特例が使えませんでした。有料老人ホームこそが“終の棲家”であり“自宅”と見なされたのです。


しかし、これには多くの批判が出ました。そこで、一定の要件さえ満たせば、有料老人ホームで亡くなった場合でも特例の適用がOKになりました。

 

その要件とは、①被相続人に介護が必要であること②相続する家屋が貸付等の用途に供されていないことです。


緩和される前は、4つの厳しい要件があったのですが、2つになったことでこれらの要件を満たすことはさほど難しいことではなくなりました。親と別居している子にとっては、心配の種が一つ減ったといえるのではないでしょうか。

自宅の改築度によって固定資産税が変わることも

自宅の建物部分については、固定資産税評価をもって相続財産評価とします。自宅の建物を美しく修繕したり、使い勝手のいいように変えたりしても、一般的には固定資産税評価に大きく影響しないと考えられて利用されています。


親子で暮らしていて、相続後も引き継ぐ予定であれば、今のうちに外壁をきれいに塗り変えたり、家の玄関や内部をバリアフリーにしたり、最新式のシステムキッチンに変えたりしても良いでしょう。リフォームを利用して、その費用を被相続人の懐から出してもらっても良いと思います。


相続財産が減って相続税が低く抑えられれば、親も前向きに検討してくれるはずです。親子で別居している場合は、この際に二世帯住宅にして同居を始めるという考え方もあります。小規模宅地等の特例も適用しやすくなるので、一石二鳥です。


ただしリフォームやリノベーションの程度によっては、固定資産税評価に反映されてしまうこともありますので、実施の際には専門家への相談が不可欠です。とはいえ、「住み心地の良い家になる」ことが家族にとってトータルでマイナスになることはないでしょう。

本連載は、2014年8月25日刊行の書籍『相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

大久保 栄吾

税理士法人大久保会計 税理士

1974年埼玉県熊谷市生まれ。一橋大学経済学部卒。税理士。これまでに扱った相続案件は事務所として数千件を超え、相続人の立場を考えた相続税対策にノウハウと実績がある。自身も、祖父が埼玉県行田市に60年以上前に開業し、現在は父親が代表社員をつとめる税理士法人大久保会計にて事業継承中。日本政策金融公庫認定農業経営アドバイザー。行田青年会議所会員(2014年現在)。

著者紹介

連載知っておけば親を動かせる、相続税節税50のコツ

相続貧乏にならないために子が知っておくべき50 のこと

相続貧乏にならないために子が知っておくべき50 のこと

大久保 栄吾

幻冬舎メディアコンサルティング

額の大きな相続は、しっかり対策をとらないと相続税が大変。だからといって親が生きているうちから子が積極的に相続対策に関与することは「縁起でもない」ということで、なかなか難しい。本書では親が生きているうちから、子が…

Special Feature

2016.11

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

海外不動産セミナーのご案内

「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

~世界の投資家が集まるニューヨークでの不動産投資とは?  現地日系の最大手不動産会社の担当者が語るNY不動産活用術

日時 2016年12月07日(水)
講師 川上恵里子

事業投資セミナーのご案内

いま最もアツい再生可能エネルギー「風力発電」投資を学ぶフェア

~2016年度の買取価格は55円。業界の最新事情と専門会社が取り扱う投資案件の実際

日時 2016年12月07日(水)
講師 近藤陽一

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

The Latest