今回は、地方の投資用中古RCマンションを購入する際の留意点について見ていきます。※本連載では、サラリーマン大家として活躍する丸川隆行氏の著書、『サラリーマンの僕がやっている 稼げる「新築アパート」実践投資法』(日本実業出版社)から一部を抜粋し、他の不動産投資と比較した場合の「新築アパート投資」の優位性について、具体的に解説していきます。

地方中古RC物件の融資の金利が高くなる理由

地方の中古RCマンションを買う方の多くは、高金利の金融機関を利用しているケースが多いと思います。

 

これには3つの理由があります。

 

1つ目は、物件の場所や購入者の住居地域によって金融機関の融資可否が変わってくるため、サラリーマンに対して全国の(地方の)物件への融資をする金融機関が少ないことです。

 

2つ目は、融資の審査が早いためです。物件購入の際、その物件を買えるかどうかは融資承認がおりた順のスピード勝負になることがあります。高金利の金融機関は、購入者の属性(個人の職業や会社、年収や資産など融資判断のための基準)によって貸出金額を定めているため、属性がわかった時点で素早い判断が行えるのです。

 

物件を購入したい投資家が、低金利であっても審査に時間がかかってしまい、結果的に購入できないのであれば、審査が早い高金利の金融機関から借入してでも物件を購入しようと考えるため、よく利用されているのです。

 

3つ目は、不動産仲介会社としては、売買ができず、取引自体が流れてしまうことは最も避けたいことです。早く融資の承認を受け、投資家に購入してもらわないと仲介手数料を得ることができないため、審査の早い金融機関(=高金利)を紹介するケースが多いのです。

 

ただし、優れた仲介会社は、全国の物件に融資してくれそうな金融機関をあらかじめピックアップしており、高金利の金融機関以外にも並行して審査を依頼して、少しでも投資家の運営負荷を減らそうと考えてくれている会社もあります。

 

以上の理由から高金利の金融機関で借り入れるケースが多くなります。高い金利の融資で賃貸経営しますと、月々の返済においては元金の返済よりも利息分の支払いが多くなる一方で、建物の減価償却が進み、なかなか純資産が増えない状態が続きます。

 

[図表1]地方RCマンションの売価と積算評価の違い

地方RCマンション購入で留意すべき想定外のコスト

最初の投資物件を地方で探そうとすると、紹介されるエリアはたいてい初めて耳にするような地域ではないでしょうか。当然、自分の知らないエリアなので賃貸需要のあるなしは、あまりわからないでしょう。

 

知らないエリアであってもきちんと需要調査をすれば問題はないのですが、RCのように大勢の不動産投資家が掘り出し物の物件を探している状況では、地元の管理会社に現行家賃の妥当性や需要のある間取り・設備などの確認をしている時間をとるのは難しいでしょう。

 

また、紹介された当日ないしは次の日に、物件の現地調査をして、入居付けをするためのリフォーム内容を検討する時間などもなかなかとれないと思います。

 

このような状況下で価格と利回りに惹かれて物件を購入してしまった場合、買った後に入居者を募集するために必要なリフォームや広告費等の費用がかかることを初めて知ることもあるでしょう。

 

RCマンションの場合、戸数が多いため、募集や修繕等にかかる費用も戸数に比例して多くなります。

 

リフォーム費用は、首都圏よりも地方のほうが家賃が低いため、家賃に対する費用の割合としては高くなります。さらに、自ら物件を確認する時には、毎回移動費用がかかってしまいます。

 

一時的な費用の他に日々かかる費用として、管理費、電気代、清掃費用、エレベーター管理費があり、RCマンションのように規模が大きいと、そこにかかる維持費用も多くなります。

 

自己資金を出さずにフルローンで購入できたとしても、こうした出費で自己資金を使い、残りの資金が少ない状況になると思います。規模の大きい地方RCマンションを購入する際は、このような費用がかかることを想定しておく必要があります。

 

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サラリーマンの僕がやっている稼げる「新築アパート」実践投資法

サラリーマンの僕がやっている稼げる「新築アパート」実践投資法

丸川 隆行

日本実業出版社

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