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連載知っておけば親を動かせる、相続税節税50のコツ【第7回】

現段階での「相続税額」を知る必要性と大まかな計算方法

相続税額法定相続人配偶者控除

現段階での「相続税額」を知る必要性と大まかな計算方法

前回は、親の財産を把握するために、相続財産としてリストアップするべき財産について説明しました。今回は、有効な相続対策を講ずるために、まず現時点での相続財産額を把握する方法について見ていきます。

現在の相続税額を知ることで「節税対策」のベースに

相続税額は、実際に相続が発生してみないと正確な数字は分かりません。

 

ただ「いま相続が発生したら」という想定で、相続財産額の概算を知っておくことは大事です。納税が必要なら必要で、心とお金の準備が必要ですし、節税策を講じる上でもベースとなる相続税額が必要になってくるからです。


では、相続財産額が2億円、法定相続人が配偶者と子2人と仮定した場合の相続税額を計算してみましょう。

大体の税額がわかったら納税に無理がないか確認を

1.相続財産額から基礎控除額を差し引く=課税対象となる額

2億円−(3000万円+600万円×3人)=1億5200万円


2.法定相続人分で按分する(実際の分割割合ではなく、法定相続分で分割したと考えて計算する)

配偶者 1億5200万円×1/2=7600万円

子1・子2 1億5200万円×1/4=3800万円


3.税率をかける=各人の相続税額

配偶者 7600万円×30%−700万円=1580万円

子1・子2 3800万円×20%−200万円=560万円


4.全員の相続税額を合算する=相続税の総額

1580万円+560万円×2=2700万円


ただし、相続税の納税義務は、実際に相続した人が負担することになります。トータルの相続税額(この場合は2700万円)は変わりませんが、それぞれが負担する納税額は相続した財産の比率に応じて変わるということです。多く財産をもらった人はそれだけ多く相続税を負担しなくてはなりません。仮に、配偶者が3/4を子2人で1/8ずつを相続したとすれば、各人の納税額は次のようになります。


5.実際の按分で各人の相続税負担額を求める

配偶者 0円※

子1・子2 2700万円×1/8=337万5000円

※2700万円×3/4=2025万円の計算になりますが、配偶者には「配偶者控除」があり、申告することで税額軽減となり、この場合は0円になります。


大体の相続税額が分かったら、納税に無理がないかの確認をします。払えそうにない場合は、今から何らかの対策が必要です。

本連載は、2014年8月25日刊行の書籍『相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

大久保 栄吾

税理士法人大久保会計 税理士

1974年埼玉県熊谷市生まれ。一橋大学経済学部卒。税理士。これまでに扱った相続案件は事務所として数千件を超え、相続人の立場を考えた相続税対策にノウハウと実績がある。自身も、祖父が埼玉県行田市に60年以上前に開業し、現在は父親が代表社員をつとめる税理士法人大久保会計にて事業継承中。日本政策金融公庫認定農業経営アドバイザー。行田青年会議所会員(2014年現在)。

著者紹介

連載知っておけば親を動かせる、相続税節税50のコツ

相続貧乏にならないために子が知っておくべき50 のこと

相続貧乏にならないために子が知っておくべき50 のこと

大久保 栄吾

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