前回は、「二割三割向かう理と知れ」等の格言から、「ほどほどのところで売っておくべき」という考え方について検証しました。今回は、「売りが出来る人は玄人だ」等の格言から、早めの「売り」の決断の重要性を見ていきます。

さっさと売って、さっさと決断ができるのが「プロ」

「売りが出来る人は玄人だ」という相場格言があります。この格言の「売り」も先物取引の売建つまり空売りのことです。「売り」自体は誰でもできますが、大きな損失を抱える可能性のある売建で儲けることができればプロだ、という意味です。

 

この格言で何を言おうとしているのかを私なりに解釈すると、要するに「さっさと売って、さっさと決断ができるのがプロ」ということではないかと思います。繰り返しになりますが、空売りの損失はどこまでも膨らむため、早めに決断ができなければ儲けるのは難しいのです。

 

そして、早く決断できる——つまり決断力は、空売りではなく現物株の手仕舞い売りでも非常に重要です。相場でうまく立ち回れている人は、ここがロスカットラインだというところでは、含み損があってもさっさと売却してしまいます。

 

また、決断ができる人は「市場の想定を超えた上昇相場が続く」といった「ちょっと相場の動きが怪しい」というときにも、躊躇なく持ち株を手放すことができます。実際、「なんかおかしい、怪しい」から相場が急落することは少なくありません。

 

たとえば、アベノミクスに加えて日銀黒田総裁のいわゆる「黒田バズーカ」で相場全体が急ピッチに上昇した2013年5月。23日に高値を付けた後、そこから一気に1400円以上の急落となり、6月半ばまでは下落が続きました。

 

しかし、急ピッチで上昇しているときに「これは上昇スピードが速すぎる」と考えて、一旦売ってしまうことを決断していれば、急落時には逆に絶好の買い場となったはずです。

 

[図表]日経平均

「売り」の根拠をはっきりさせておく

また、決断力と同時に「諦め力」のようなものも必要でしょう。「売った後に上がったらどうしよう」と考えるとなかなか売れませんが、そこを「諦めて」決断するということです。

 

江戸の相場格言ではありませんが、「頭と尻尾はくれてやれ」という有名な格言があります。最安値で買って最高値で売ることを狙ってもうまくいかないという意味ですが、この格言も売りに関していえば最高値で売ろうとしない、最高値は諦めたほうがいい、と言っているとも取れます。

 

諦めることでスピーディーな決断ができ、決断できることで上手に売れるようになるのだと考えます。

 

では、具体的にどうすれば決断ができるようになるのか。これは、「売り」の根拠をはっきりさせておくことだと思います。事前に「こうなったら売る」というのを決めておくことも重要です。

 

たとえば、「底値だと思って買った」というのが買いの根拠であれば、そこを割って下げていく場合は、買いの根拠が間違っていたので、すわなち「売りの根拠」になります。また、「前回高値を抜けるくらいまで上がる」と考えているなら、前回高値を抜けたところが「売りの根拠」というわけです。

 

そして、「今が売るときだ」となったら、そこで決断力を発揮してためらわずに売ることが重要なのです。

「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ 常勝無敗の株投資術

「江戸のウォーレン・バフェット」に学ぶ 常勝無敗の株投資術

清水 洋介

幻冬舎メディアコンサルティング

「どうもうまくいかない」「なかなか儲からない」これこそ株式投資で誰もが必ず直面する問題……。 そんな悩みを解決すべく、時代を超えても通用する、先人たちの投資成功術をまとめた一冊。 どんな時代にも通用する「株式投…

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