事業承継で課題となる自社株の評価。「利益」と並んで株価を押し上げる要因が「資産」です。今回はその管理について見ていきましょう。

株価を押し上げる「資産」をどう管理するか?

利益のほかに株価を押し上げる要因になっているのが「資産」です。特に純資産価額方式で株価を算定する際は、純資産は帳簿価額が用いられるため、B/Sには表れない不良在庫や回収の見込みがない債権の含み損が反映されません。こうした必要のない資産を整理することでスリム化し、株価を引き下げるようにします。

例えば会社が10年前に3億円で買った駅前の土地建物の相続税評価額が2億円、実勢価額はさらに1億円まで下がっているとします。しかし、B/S上は3億円のまま資産として計上されるため、相続税評価額によってもなお実質的な資産価値よりも過大評価されていることになります。

不良在庫や回収の見込みのない債権なども過大評価されるので、資産整理は株価引き下げにとっては欠かせない手法です。

含み損のある株式などが処分の対象

資産整理の具体的な方法には、以下のものがあります。

 

・所有する不動産価値を評価し直す
・含み損のある株式を処分する
・不良在庫や滞留資産を処分する
・内部留保で不動産を取得する

 

こうした「資産整理」と前回ご紹介した「利益圧縮」に加え、事業承継をスムーズに行うための有効な手法に「組織再編」があります。

 

組織再編には、株価引き下げに有効な類似業種比準価額方式が使える大会社への改編や持ち株会社の設立などさまざまな手法がありますが、これらについてはまた別に機会に詳説します。

 

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