自社株対策はまず「利益圧縮」から

事業承継のための株価対策。それには「利益圧縮」と「資産管理」、そして「組織再編」という3つの手法を使って進めていくのが有効です。そして、利益そのものを計画的に圧縮していくには、役員退職金の支払いや、法人向け生命保険の活用がよく使われる手法です。

株価を決める2つの評価方式とは?

スムーズな事業承継に欠かせない株価の引き下げ。具体的な引き下げ策を紹介する前に、まずは株価を決める2つの評価方式、すなわち「類似業種比準価額方式」か「純資産価額方式」によって引き下げ策が異なることを知っておきましょう。
 
類似業種比準価額方式の場合は、基準にする上場類似業種の株価の上昇や、配当比準要素・利益比準要素・純資産比準要素の上昇が、株価を押し上げる要因になっています。
 
一方、純資産価額方式の場合は、貸借対照表(B/S)に表れない資産の含み益や内部留保等による簿価純資産価格の増加が、主な押し上げ要因になっています。
 
このため、事業承継のために株価を引き下げる際は、「利益圧縮」と「資産管理」、そしてこれらをより効果的に実現するための「組織再編」という3つの手法を使って進めていくのがもっとも有効とされています。

「利益圧縮」なら効果も絶大

先にも述べた通り、類似業種比準価額方式でもっとも株価の引き下げ効果が期待できるのが「利益圧縮」です。利益比準割合は3倍して計算されるため純資産や配当など他の要素に比べ、株価の引き下げ効果も大きくなります。
 
また、利益そのものを計画的に圧縮していく方法には、次のような手法が挙げられます。


・役員退職金の支払い
・法人向け生命保険の活用
・短期の前払費用の損金計上
・決算賞与の支給
・役員報酬の増額
・企業年金への加入
・オペレーティング・リースの活用
 
類似業種比準価額が高い場合には、まず利益の圧縮から着手するのが理想です。次回は残る2つ「資産管理」と「組織再編」について見ていきましょう。
 

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『オーナー社長のための税金ゼロの事業承継』から抜粋したものです。2015年1月1日施行の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

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連載オーナー社長のための税金ゼロの事業承継

GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

著者紹介

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

事業承継の成功は自社株式を制することにあり ムダな税金を払わずに後継者に事業を譲り渡す。その秘訣は自社の株価を極限まで引き下げることにあった。「一年分のオフィス賃料は一気に払う」「高収益部門を分社化して本体の利…

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