前回に引き続き、税理士が「専門特化」することで得られるメリットを見ていきます。今回は、世間からの注目度のアップや、自身のブランディングについて取り上げます。

専門領域が認知されれば、世間の注目度も格段にアップ

業種特化のメリットの一つとして、「ワン&オンリーの存在になれる」と言いましたが、「この業界の税理士と言えば、○○さん」として認知されれば、世間からの注目度は格段にアップします。

 

一般的に、独立開業して間もない税理士は、ある程度の顧客が確保できるまで自ら営業活動を行います。知人に紹介してもらったり、地域にチラシを配ったり、ネットに広告を出したりなどさまざまなやり方がありますが、いずれもコストがかかります。コストに見合うだけの反響があるかどうかは、相当の努力、そして運次第の部分もあるでしょう。

 

また、顧客紹介サイトを利用する人もいます。確かに、何の当てもない場合には、こういった顧客紹介サイトを利用するのも一つの手だと思います。ただ、そういうサイトに登録してもすぐうまくいくというわけでもなく、また、紹介を受ければ顧問料も安いのに多くの紹介料を支払わなければなりません。それでは、ただでさえ開業資金で手一杯のところ、さらに資金繰りを圧迫してしまうことになります。

 

その点、専門特化をしていると、自然と顧客が集まりやすくなります。

取材やセミナーの依頼により、露出の機会が増加

それは、業種特化をしている人の少ない税理士業界では、今ならどの分野でもある程度の注目を浴びることができるからです。すると、自然と取材やセミナーの依頼が来るので、自ら広告費や宣伝費をかけてなくても露出する機会が増え、自らを売り出していけるようになります。つまり、お金をかけずして、税理士としてのブランド化が図れるのです。

 

私の場合でいうと、「賃貸経営専門」としてやり始めてまだ5年そこそこですが、すでにクチコミや紹介で新規顧客が集まってきたり、新聞・雑誌などメディアの取材や、一般向け・税理士向けのセミナー依頼などが途切れなく来ます。こちらから特別何かアクションをしたわけではありませんが、今はIT社会ですから、どこからか情報を探したり聞きつけたりするのでしょう。

 

そうやって新聞や雑誌の記事に載ったり、テレビに出たりすると、それがきっかけで私の存在を知ってくれる人が増え、また次の問い合わせやメディア出演依頼などに繋がります。先日も、某テレビ局から「賃貸経営専門の税理士」としての意見を聞かせてほしいとの依頼があり、番組出演をさせていただきました。そうやって連鎖的に露出が増えていくのです。

 

メディア出演をすると、「○○という雑誌に取り上げられました」とか「○○という番組に出演しました」というだけで、顧客の信頼感がアップするというのも大きなメリットです。

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    本連載は、2016年12月9日刊行の書籍『「税理士」不要時代』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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