前回は、税理士が「専門特化」することで得られるメリットを取り上げました。今回は、税理士としての自分の「専門分野」を定める方法を見ていきます。

最近は「税理士の専門特化」の黎明期!?

さて、業種特化をしていくとして、どんな業種がいいかという問題になります。私の考える業種特化のしかたと考え方について説明します。

 

これは私の感覚ですが、最近になって専門特化を始めている税理士事務所が徐々に増えてきている印象です。税理士の専門特化の〝黎明期〞が今なのかもしれません。ただ、やろうと思えば、どの業種でもまだまだ間に合います。

自分の「興味がある領域」を選ぶのがベスト

●興味関心のある分野がベスト

 

まず専門分野にするのにベストなのは、自分の興味のある分野でしょう。専門力を高めるには勉強が必須ですから、自分がその業界を掘り下げていって楽しいと感じられるのが一番です。

 

特に好きな分野はないという人は、これまで縁のあった分野から始めるのも手です。基礎知識はすでに身に付いているわけですから、それがアドバンテージになります。「楽しみながら専門性を高める」というわけにはいかないかもしれませんが、少なくとも勉強することに苦痛を伴わないのであれば、掘り下げてみる価値は十分あるのではないでしょうか。やっているうちに面白くなってくるということもあります。

 

経営コンサルティングのイメージそのものがつかみにくく、業種の絞り込みが難しいという人は、手始めに専門特化している税理士事務所で働いてみて、これまでの税理士業務とコンサルティング業務は何が違うのかを実体験してみるのもいいと思います。知識や経験の幅を活かしたアドバイスなどを身近で見たり、コンサルティングを通して顧客が満足したり喜んだりする体験をするなどしているうちに、自分の中で「こういう分野をしてみたい」という思いが芽生えてくるかもしれません。

 

ちなみに、私の事務所では新人でもすぐに顧客とのコンサルティングに同席をさせます。そこで、実際にコンサルティングとはどんなものかを体感してもらいたいですし、意外と細かい数字などの話よりも専門的な部分での悩みを聞いたり、雑談をしたりといったことが多い現実を知ってほしいからです。

本連載は、2016年12月9日刊行の書籍『「税理士」不要時代』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「税理士」不要時代

「税理士」不要時代

渡邊 浩滋

幻冬舎メディアコンサルティング

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