2018年の不動産市場 「中型ビル投資」への関心が高まる理由

今回は、2018年の不動産市場において「中型ビル投資」への関心が高まる理由を見ていきます。※ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社のシービーアールイー株式会社(CBRE)。本連載では、そのリサーチ部門が世界の不動産市場の最新情報をお伝えします。

「データセンター」の投資市場はまさに黎明期

CBREは東京のグレードAオフィスの想定成約賃料は2018年に下落に転じると予想している。そのような中、比較的賃料が安定している中型ビル投資への関心は今後いっそう高まるだろう。

 

大量の供給が予定されているグレードAオフィスと異なり、中型ビルの供給は過去平均を下回る規模にとどまる。オフィスフロアの区分所有を対象にした投資や、クラウドファウンディングを通じた不動産投資など、個人の資金を中型ビル投資に向けるプラットフォームも増えており、より広範な層の投資資金が流入することも考えられる。


主要なアセットタイプの利回りが低下するなか、投資家はより高い利回りを求めてオルタナティブアセットへの投資を模索している。なかでも注目が高まっているのがデータセンターだ。国内のデータセンターは、クラウド利用の普及により需要が拡大しており、施設の不足感が高まっている。開発コストの負担が高まっていることもあり、運営会社からの投資家資金に対する期待も高い。2017年10月には大手商社と米国のデータセンター専業REITとの共同事業も発表された。データセンターの投資市場はまさに黎明期にあると言える。

より高利回りを確保できる「物流施設」への関心も

日本からのアウトバウンド不動産投資は今後大きく拡大するだろう。これまでは大手デベロッパーによる北米での直接不動産投資が中心であった。2016年の日本企業による直接不動産投資額は25億ドルで、リーマンショック後もっとも投資額が少なかった2010年(1.7億ドル)の15倍の規模となった。2017年上期の投資額も対前年同期比23%増と、増加傾向は続いている。

 

2018年以降は、年金基金などの機関投資家による、ファンドを通じた間接投資が拡大するとみられる。CBREはその規模を今後数年間の累計で約150億ドルと見込んでいる。投資対象は、これまでと同じく北米のオフィスが中心となろう。ただし、より高い利回りを確保できる投資先として物流施設に対する関心も高い。eコマース市場が日本以上に拡大していることを背景にテナント需要は旺盛である一方、オフィスよりも高い利回りを確保できるアセットとして今後の投資拡大が期待される。

 

[図表1]東京アセット別期待利回り

注:太陽光発電のみプロジェクトIRR、他はすべてNOI利回り
出所:CBRE、2017年10月
注:太陽光発電のみプロジェクトIRR、他はすべてNOI利回り
出所:CBRE、2017年10月

[図表2]アジア太平洋地域プライム物件の利回りとスプレッド

出所:CBRE、Q3 2017
出所:CBRE、Q3 2017

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CBREグループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社です(2016年の売上ベース)。全世界で75,000 人を超える従業員、約450 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。

写真は、リサーチ エグゼクティブディレクターの大久保寛氏。
CBREのリサーチ部門の責任者として、オフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場ならびに売買市場のリサーチ業務を統括。製鉄会社および投資銀行勤務を経て1997年から2013年まで証券アナリストとして株式リサーチ業務に従事。2000年からはJREITを中心に不動産セクターを担当。UBS証券、ゴールドマンサックス証券、マッコーリーキャピタル証券、みずほ証券を経て、2013年10月より現職。

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