今回は、子どもの教育費よりも「老後の資金」を優先すべき理由を説明します。※本連載は、株式会社マイエフピーの代表取締役で、家計再生コンサルタント/ファイナンシャルプランナーとして活躍する横山光昭氏の著作、『50歳からの「お金の不安」がなくなる生き方』(大和書房)の中から一部を抜粋し、老後貧乏になる人の「お金の習慣」とは何かを紹介します。

教育にお金をかけすぎて、家計が赤字になる例は多い

私のところに相談に来られる方の三大不安要素といえば、

 

❶ 老後資金

❷ マイホームの購入資金(ローンの支払い)

❸ 子どもの教育費

 

です。予想通りの結果でしょうか。

 

それでは、あなたが40〜50代だとしたら、この中でもっとも優先すべき費目はなんだと思いますか。

 

「やっぱり子どもの教育費でしょう。子どもにしっかりと勉強をさせて、大学まで行かせてやるのが親の務(つと)めですからね。そのためなら私たち親の老後の資金を少しぐらい削っても仕方がありません。老後のことは、子どもが大学を出てから考えればなんとかなります」

 

このように考える方が大半だと思います。でも、私の答えはノーです。私が相談を受けたなら、子どもの教育費よりも老後の資金を優先してくださいとお願いします。というのも、多くの家庭で教育費をかけすぎているからです。そもそも「お金をかけなければ、よい教育は受けられない」という考え自体に私は疑問を持っています。

 

たしかに、教育費は節約が難しい費目です。子どもの将来を考えるとなかなか削ることができません。

 

特にその傾向は所得が増えるほど高まり、子どもの教育費に毎月10万円以上費やしている家庭もあります。その結果、貯金ができなかったり、場合によっては家計が赤字になっていることもしばしばです。

 

そうした赤字は、ボーナスなどの臨時収入で埋め合わせて何とかやりくりしている。このようなケースを幾度となく目にしてきました。

 

ですから、お子さんがいて、貯金ができないあるいは赤字の月が多いご家庭は、教育費をかけすぎていないかどうか検討してください。

習い事を「吟味」することも重要

老後の資金を貯めるために、子どもの教育費をすべてカットしなさい、と言っているわけではありません。肝心なのはバランスです。

 

どちらか一方に偏ってしまうのではなく、子どもには最低限必要な教育を受けさせながら、同時に老後の資金も貯めていく。過剰になっている教育費を見直せば、必ず「収入-支出」の差分が生まれるでしょう。

 

習い事、塾通い、通信教育、模試など、本当に必要なものかどうか、ただ何となくとか、周りもやっているからといった理由で出費しているものはありませんか。まずはそれから見直してみましょう。場合によってはお子さんと一度、いまの習い事や塾通いが本当に必要かどうかを話されるといいでしょう。

 

勉強のためだから、受験のためだからという理由であまり勉強のためだから、受験のためだからという理由であまり吟味せずに無駄に使ってしまっているかもしれません。

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