病院設計の力を高める「病院留学プログラム」とは?②

前回に引き続き、病院の設計力を高める「病院留学」とは何かを見ていきましょう。今回は、海外プロジェクトでの取り組みを紹介します。

現地の制度や文化的背景を「病院留学」で実感

前回の続きです。

 

病院タスクチームのプロジェクトは日本国内だけにとどまりません。近年では中国やベトナム等の海外、特にアジアを中心とした病院プロジェクトが増加傾向にあります。

 

もちろん、海外といえどもやるべきことは同様です。病院の懐に飛び込んでニーズを学び取り、現地の制度や文化的背景にも合致する計画を提案することです。具体例としてベトナムで進行中のプロジェクトをご紹介します。

ベトナムホーチミン市、ホアラムヘルスケアパークの例

《ホアラムヘルスケアパーク》は、ベトナムのホーチミン市やその周辺地域における先端医療の普及と、日本同様の最先端の医療技術を取り入れた医療施設整備計画です。ホーチミン市の中心部から西に約10キロメートル離れたビンタン地区の約37.6ヘクタールの敷地に、医療施設を中心に、医学研究所や商業施設、高級マンション、オフィスビル、ホテル、会議センターなどを整備し、総合的なヘルスケアサービスを提供します。

 

先行して開設されているCity International Hospital(Ⅰ期)に続く、Ⅱ期計画として地上10階建ての延床面積約3万6000平方メートル、351床の神経・心臓病を中心とした病院の計画を行いました。

 

デザインコンセプトは、羽を広げ飛び立つ鳥のような、または、大切なものを両手で包み込むようなイメージです。加えてV字型の病棟形態とした外観には、「ベトナムの100年先の医療を見据えていきたい」とする施主の強い意志を表現しています。

 

[写真]《ホアラムヘルスケアパーク》

100年先を見据えるという強い意志を表現してV字型の病棟形態に
100年先を見据えるという強い意志を表現してV字型の病棟形態に

 

現在、躯体工事が上棟し、カーテンウォールやサッシの取り付けなど、内装工事が進行中です。

本連載は、2017年8月30日刊行の書籍『病院再生の設計力[増補改訂版]』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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1932年、建築家・久米権九郎によって創立された≪久米設計≫では、「人と社会への貢献」の理念のもと、「建築設計・監理」にとどまらず、「各種マネジメント&ソリューション」「環境設備エンジニアリング」「構造エンジニアリング」を柱にしたトータルソリューション業務を展開。おもに、事業の企画段階から設計、竣工後の運用アドバイスまで、一貫したサービスを提供している。とくに、業界に先駆け、同社内に「医療福祉設計部」を立ち上げるとともに、病院・介護施設などの設計プロフェッショナルたちが集まる「病院設計タスクチーム」では施主が抱える様々な課題解決を目指し、トータルな医療福祉コンサルティングサービスに取り組んでいる(写真は常務、執行役員の佐藤基一氏)。

著者紹介

病院再生の設計力[増補改訂版]

病院再生の設計力[増補改訂版]

久米設計 病院設計タスクチーム

幻冬舎メディアコンサルティング

【病院の設計から、経営を改善する―― 数々の病院を再生させてきた百戦錬磨のプロ集団が、設計のプロセスを公開 】 情報化・高齢化による市場の変化や度重なる医療制度改革にさらされ、病院経営は、年々厳しさを増しています…

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