今回は、「住宅ローン」を組む際の注意点を見ていきます。※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、それらを回避するためのポイントを解説します。

安易にローンを組むのは危険、くれぐれも慎重に

住宅ローンを借りやすいというのは、家を持ちたいという人にとってはありがたいことでもありますが、借りられるからといって安易にローンを組むことは、けっしてしてはいけません。金利が安いからと手を出すのも危険です。ローンによっては、3ヶ月程度の滞納で全額返済を求められたり、金利の高いローン商品に借り替えさせられることもあるからです。住宅ローンを借りやすいことと、返しやすいこと、つまり最後まできちんと返せるかどうかは、まったく別の話です。ここは、本当に要注意な点です。

 

住宅ローンを組むときには、よくよく勉強し、第三者の意見も聞き、内容をしっかり調べてから選ぶべきです。

 

とくに次のようなことはしっかり考えてください。

 

お金はいつでも簡単に返済できるローンを選ぶ(たとえば、今月は少し余裕があるので、1万円繰り上げ返済するなど細かく返せることです)。

 

返せるときにはどんどん返して、元金を減らしていく(貯蓄も大事ですが、ローン金利のほうが高いので、こちらを優先させます)。

 

返済年月を詰めるのか、返済額を減らすのかは、家族構成や年齢を踏まえて検討する。

 

どちらが有利か、長い目で見た場合のことをよく考えて、できれば別の専門家に意見を聞けるとよい。

 

将来的に、教育資金やマイカー資金など他にお金を借りるシーンがあるなら、そちらを先に返済する(住宅ローンのほうが、税制上優遇されていたり金利が安かったりするので、より金利の高いローンを先に返済するべきです)。

オススメは「地元の地方銀行」「信用金庫」

私は、地元の地方銀行や信用金庫をオススメします。やはり、いざというときに親身になって相談に乗ってくれるかどうかが、とても大切だからです。地元で悪い評判が立つと商売が立ち行かなくなるという意味では、地元の工務店も同じなのですが、やはりそういうところは、しっかり細やかに対応をしてくれます。

 

たとえ、建てたときの金額が安かったとしても、将来もずっとコストのかかる家に住んでしまうと、なかなか返済が追いつかなくて苦労します。長い人生の中で、いつ、どのくらいお金が必要になりそうか、何かあったときの蓄えはあるか、子どものこと、家族の状況などを先々までイメージできているかどうかが大切です。

 

安易に高額の住宅ローンを組ませようとする会社は論外です。あなたのお金のことまでも考えてくれて、できるだけ無駄をなくし、良い住宅をつくろうとしてくれる住宅会社を選ぶことが大切なのです。

本連載は、2017年8月15日刊行の書籍『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本

知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本

仁藤 衛

知道出版

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