「シニア人材の雇用」で起きやすいトラブルとは?②

前回に引き続き、「シニア人材の雇用」で起きやすいトラブルを見ていきましょう。今回は、「上下関係」に関連したトラブルを紹介します。

上下関係をつくりたがるシニアのせいで…

前回の続きです。

 

シニア人材の問題点(2)上下関係をつくりたがる

 

当社にはさまざまな分野で実績を築いてきたエキスパートが集まっていますが、上司と部下という関係は一切ありません。当社での勤続年数が長い人が上司になるのではなく、専門分野での知識がより豊富な人がマネジメントする立場になるということでもないのです。管理職のポストを一切つくっていないので、皆が同じ立場です。

 

それでも、自然と互いに尊敬し合い、認め合っているので、「うちの会社では、この分野の第一人者は○○さんだね」という雰囲気になっています。

 

ところが、前述したAさんが入社し、上下関係をつくろうとしたため、社内のバランスは崩れてしまいました。

上の立場の人間が間に入り、素早く対応することが重要

実はAさんのようなシニア人材は少なくありません。

 

シニア人材は、定年前は年下の社員から気を使ってもらう立場にいた人が多いので、他人に配慮をしたり、努力をして人間関係をつくったりしなくても済んでいた人もいるでしょう。新しい職場に移っても、「自分のほうが偉い」という態度を取るので、周りの人から協調性がないと見なされ、敬遠されてしまいます。

 

自分は仕事ができたという思いが強い人ほど、他人の意見を聞かなかったり、過去のやり方を押し通そうとしたりするなど、チームプレーを拒む傾向がよくあります。正確にいえば、「自分の望むチームプレーを周りに求める」ということでしょうか。自分の意見を押し通そうとすると、いわゆる「空気が読めない人」だと思われてしまいます。

 

人間関係で問題が起こりそうなときは、経営者など上の立場にある人が間に入るなどして、なるべく早く対応することが重要です。シニア人材に対して、今は上の立場ではないのだと分かってもらうしかないでしょう。

 

社内の人間関係が良好で雰囲気がいいことは、仕事をするうえで大事な条件の一つですから、経営者がつねに目を配っていなければならないポイントです。

本連載は、2017年5月29日刊行の書籍『シニア人材という希望』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載豊富な知識、経験・・・日本企業を救う「シニア人材」

基金運営研究所株式会社 代表
一般社団法人年金基金運営相談センター 理事長
株式会社CN総合コンサルティング 代表
 

1973年に慶應義塾大学を卒業後、都市銀行に入行。不動産や企業年金等幅広い業務に従事し、業績向上に貢献する。54歳で関連会社に転籍、定年退職まで勤め上げる。2008年、61歳で起業。基金運営研究所株式会社を設立する。2012年には一般社団法人年金基金運営相談センター理事長に就任。企業年金のコンサルティングを行うかたわら、不動産や保険代理、投資家に対する運用商品の紹介、相続対策、M&A等へと事業を拡大し、2013年に株式会社CN総合コンサルティングを設立。各分野の専門知識をもった22名の定年後シニア人材を雇用、戦力化し、黒字経営を続けている。義理人形を重視した誠実な仕事が支持されており、数十年来の取引先も多い。モットーは「生涯現役」。

著者紹介

シニア人材という希望

シニア人材という希望

中原 千明

幻冬舎メディアコンサルティング

超高齢社会の到来とともに、日本人の働き方は大きく変わる――。 都市銀行でマネジメント職を歴任。 定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者が語る“新しい労働の在り方"とは? 2013年4月1日、高年齢者雇用安定法が…

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