今回は、銀行の「カードローン」の落とし穴などについて見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行法に基づく「借金」=カードローン

銀行用語を聞いていると、
わかったようでわからない、
聞こえ心地の良い横文字が、いくつもあります。

 

最近の銀行のTVCMを思い出してください。
その多くは、カードローンの宣伝です。
“口座がある、口座がない、なくても大丈夫!”
“カードローンは、〇〇東京〇〇〇銀行!”
などという、あれです。
いつの間にやら、
「カードローン」なる言葉が大量流出しているのですが、
どういうものかと言われると、ちょっと困る言葉です。
簡単にいえば、
銀行のキャッシュカードやクレジットカードでお金を借りることです。
要は、銀行法に基づく借金です。
しかし、「カードローン」というと、うしろめたさや、
マイナスイメージが消えてしまいます。
そこがコワイところです。

 

アコムやアイフルなどの消費者金融は、貸金業法に基づく借金です。
今は年収の1/3までという、いわゆる年収制限があります。
それに比べて、銀行のカードローンは銀行法なので、
年収制限がありません。
ここがたちの悪いところです。
だから「たくさん借りれます!」というわけです。
さらに、「金利が低い!」と言います。
低い、といっても、上限で14%ほどあります。
めちゃくちゃ高いのです。
消費者金融の18%よりも低い、というだけです。

金利事情に無関心な個人相手に稼ぐ!?

マイナス金利時代に入り、銀行にとっては、
カードローンの金利は、稼ぎ頭といってもよいのです。
今の企業融資ではありえない金利を、
世間の金利事情に無関心な個人相手に、稼いでいるのです。
だから、CMがじゃんじゃん流れるのです。

 

他にもこれまで、
「サブプライムローン」「プライムレート」「デリバティブ」
などなど、多くの横文字が銀行商品に登場しました。
が、聞こえ心地は悪くないのです。
そのため、多くの人や企業がそれらの言葉に流され、
債務危機に巻き込まれてゆくのです。
銀行交渉をしてゆくなかで、
聞こえ心地の良い横文字が登場したら、
注意が必要なのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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