前回は、「良い矯正歯科医」を見分けるポイントについて取り上げました。今回は歯科クリニックを選ぶ際に「歯科医師の専門分野」を確認すべき理由を見ていきます。

すべての治療をひとりで行える歯科医師はいない!?

近年、医療の分野はますます専門化が進んできましたが、それは医科だけでなく、歯科も同様です。たとえば、眼科の医師に胃の痛みを訴えても「専門外だからわからない」といわれます。読者は「それは当たり前でしょう」と思われるかもしれませんが、一般の歯科だけを診てきた歯科医師に矯正歯科治療を任せるのも、実はそれと同じようなことなのです。

 

歯科医師は法律的にはすべての治療を行うことができるとはいえ、ひとりですべての治療をうまく行える歯科医師というのはまずいません。それは、その医師が優秀かどうかという問題ではなく、そもそも「知らないからできない」ということなのです。

 

反対に、矯正歯科医の中には、歯科医師免許を取得して以来、虫歯の治療や抜歯を行ったことがないという人も大勢います。

 

医療の技術が発展するに伴い、一つひとつの分野の担う領域はどんどん奥深くなっています。そして、医学は今現在も、日々進歩し続けています。

 

ですから、医師になったあとも新しい治療方法などの情報収集を行い、勉強し続けていく必要がありますし、使用する器具などもどんどんと進化している中、それを使いこなすための知識やテクニックも身につけていかなくてはなりません。しかも日々診療を行いながらそうした努力が求められるわけですから、歯科治療のすべてを高い水準で身につけることは不可能というものです。

「専門分野」がはっきりしている歯科医師を選ぶ

しかし、その代わりというのもおかしいかもしれませんが、分野を絞り込み、その知識と熟練度をあげることで最良の治療を実践していこうという動きが歯科にも広がっています。今では、専門分野をもち、その分野で高いレベルの治療を行う歯科医師が増えてきました。

 

たとえば、矯正歯科治療の認定医だけでなく、入れ歯が専門の歯科医師もいれば、インプラントが専門だという歯科医師もいますし、歯周病の手術で高い技術をもつ歯科医師、抜歯や外科手術の技能が飛び抜けて高い歯科医師や、顕微鏡を使った根管治療を行える歯科医師、麻酔専門の歯科医師もいます。

 

そして、各分野のスペシャリストたちがチームを組んで連携することで、患者さんにとってより良い治療体制を実現している歯科医院も増えています。

 

このような時代の流れを鑑みても、矯正歯科治療に限らず、「なんでもやります」のではなく、「これが専門です」とはっきりしている歯科医師を選ぶことは、大いに理にかなっていることなのだと考えます。

国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”

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宮島 悠旗

幻冬舎メディアコンサルティング

歯学博士であり、フリーランス矯正歯科専門医として活躍している宮島悠旗氏。両親ともに歯科医師という宮島氏にとって、口元のケアは当然のエチケットとして育てられてきたといいます。しかしながら世間を見渡せば、口元に気を…

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