厚生労働省の『令和7年(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況』によると、2025年の離婚総数は17万9,068組で、そのうち約22%が同居20年以上の熟年離婚となっています。人生100年時代、長年の夫婦関係に区切りをつけ、新たな人生のスタートを切る人も少なくありません。本記事では、熟年離婚をした62歳専業主婦の事例をもとに、CFPの石川亜希子氏が熟年離婚をする際の生活設計の注意点について解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
熟年離婚、後悔しています…〈現金3,000万円と自宅〉を手にした62歳専業主婦。息子には「自業自得」と突き放され、老後破産の危機に直面したワケ【CFPが解説】
【CFPが解説】熟年離婚の前に、考えておきたい2つのこと
熟年離婚では、「財産分与でいくら受け取れるか」にフォーカスしがちです。しかし、離婚後の生活を安定させるためには、受け取る財産の額だけでなく、その後の収入と支出を具体的に見積もることが重要です。
離婚後の収支を具体的に試算する
まず確認したいのは、毎月の生活費と収入のバランスです。食費や光熱費などの日常的な支出に加え、住居の維持費、医療費、介護費用、税金や社会保険料なども考慮する必要があります。実際の年金額や生活費は人によって異なりますが、試算をしておくことで、どの程度の資産が必要なのか、生活費を見直す必要があるのかを判断しやすくなります。
年金や仕事など、離婚後の収入源を確認する
離婚に際しては、年金分割の対象となる年金や手続きについて確認することも重要です。年金分割は、夫の年金の半分をそのまま受け取れる制度ではなく、婚姻期間中の厚生年金を分割する仕組みです。分割によって実際の年金額がどの程度変わるかは、個別の状況によって異なります。
また、離婚後に働くことを考えているなら、希望する仕事に就けるとは限らない点には注意が必要です。どんな仕事ならできそうか、現実的に見込める収入を考えてみましょう。収入が不足する場合には、生活費を見直す、働き方を変えるなど、複数の選択肢を早めに検討することが大切です。
財産分与だけでは「老後安泰」とは限らない…離婚後の生活設計を具体的に描く
熟年離婚は、長年の夫婦関係を見直し、自分らしい生活を始めるきっかけにもなります。一方で、離婚時にまとまった財産を手に入れたからといって、その後の生活まで安泰になるわけではありません。
離婚時にいくら受け取るかだけでなく、その財産でどのような生活を何年続けられるのか、離婚後の生活設計を具体的に描くことが大切です。
石川 亜希子
CFP
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