投資の世界には投資信託、ETF、個別株など数多くの選択肢があるため、投資初心者ほど「最初の一歩」で悩みがちです。そのような中で注目を集めているのが、運用を自動化できるロボアドバイザーサービスです。運用の手間を省けるメリットがある一方で、SNSなどでは、「手数料が高い」という意見も見られます。果たしてロボアドバイザーは本当に手数料負けするサービスなのでしょうか。FPの前田敏氏が解説します。
「手数料が高い」は本当か?資産運用を自動化できる「ロボアドバザーサービス」の活用法を〈運用会社32年勤務のFP〉が本音で解説

ロボアドバイザーの価値は「運用の仕組み」

ロボアドバイザーの特徴は、単なる投資商品ではなく、運用の仕組みを提供することにあります。

 

利用者は簡単な質問に答えるだけで、自身のリスク許容度に応じた資産配分を提案されます。一般的には国内外の株式、債券、不動産、コモディティなどへ分散投資が行われます。

 

さらに以下の機能が備わっているため、運用管理の多くを自動化できます。

  • 自動積立
  • 自動リバランス
  • 配当金の再投資
  • 税負担を軽減する機能

 

投資経験者には難しくない作業でも、初心者にとっては資産配分やリバランスを継続すること自体が簡単ではありません。何を買うか悩み続けることなく、長期運用の仕組みを利用できる点がロボアドバイザーの大きな魅力です。

「手数料が高い」は事実

ロボアドバイザーサービスの大きな懸念点の一つが手数料です。

 

一般的に年率1%前後の利用料がかかるケースが多くあります。一方で、近年の低コストインデックスファンドは信託報酬が0.1%未満の商品もあります。100万円を運用した場合でも年間数千円から1万円程度の差が生じることがあり、10年、20年と長期になれば影響は決して小さくありません。

 

そのため、商品選びや資産配分を自分で管理できる人であれば、低コストの投資信託やETFを利用した方が有利になる可能性は高いでしょう。

 

「手数料が高い」という指摘には、確かに合理的な根拠があります。

投資の成否を決めるのは手数料だけではない

ただし、投資の成果を左右するのはコストだけではありません。

 

実際にFPとして相談を受けていると、多くの人が失敗する原因は商品選びよりも「途中でやめてしまうこと」にあります。「下落すると積立を停止する」「不安になって売却する」といった行動をとる人は珍しくありません。

 

しかし、長期投資で成果を得るためには、淡々と積立を継続することが重要です。

 

どれほど優れた商品でも、暴落時に売却してしまえば十分な成果は期待できません。その意味では、投資を継続しやすい環境を提供することもロボアドバイザーの価値といえるでしょう。

大切なのは「何を買うか」より「続けられるか」

現在の投資環境には、以下のように多くの選択肢があります。

  • 全世界株式ファンド
  • 米国株インデックスファンド
  • バランスファンド
  • ETF
  • 個別株
  • ロボアドバイザー

 

重要なのはどの商品が優れているかではなく、「自分が無理なく続けられる方法を選ぶこと」です。

 

投資は短距離走ではなく長距離走です。どれほど合理的な手法でも、自分に合わなければ継続できません。

ロボアドが向いている人、向いていない人

ロボアドバイザーが向いているのは、次のような人です。

  • 投資経験が少ない
  • 資産配分がわからない
  • 運用に時間をかけたくない
  • 相場変動が気になる
  • まずは投資を始めてみたい

 

一方で、次のような人は自分で投資信託やETFを活用したほうが合理的でしょう。

  • 投資知識がある
  • 商品選びが苦にならない
  • 自分で資産配分を考えたい
  • 暴落時も冷静に継続できる
  • コストを重視したい