現役時代に高収入だったとしても、給与が途絶えて年金生活に入った途端、生活水準を下げられず「老後破綻の危機」に陥るケースは珍しくありません。特に「子どもからの仕送り」をあてにしていた場合、その仕送りがなくなることで一気に窮地に追い込まれる可能性があります。本記事では、CFPが事例をもとに、“金銭援助頼み”の家計設計が抱える落とし穴と、老後の家計をどう考えるべきかについて解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
海外旅行に連れて行ってくれ…〈年金月30万円〉と〈仕送り月8万円〉で暮らす60代夫婦、帰省中の34歳息子におねだりした結果、言い渡された「厳しい宣告」に絶望【CFPが解説】
「うんざりなんだよ」息子が突きつけた〈まさかの宣告〉
今年の正月、ユウトさんが家族を連れて帰省してきました。夕食を共にしお酒も入り、饒舌になったカズユキさんがこうこぼします。
「おいユウト、お前も昇進して給料上がったろ? そろそろ海外旅行に連れて行ってくれてもいいんだぞ」
すると、いつもおとなしく、父の言うことを黙って受け入れるユウトさんがこう返しました。
「……勝手に行ったら?」
予想もしない返答に面食らっていると、意を決したように続けます。
「住宅ローンもあるし、娘も生まれたばかりでこれから教育費がかかるところだし、正直難しいよ。それにこの際だからはっきりさせておくけど、もう仕送りはやめようと思ってる」
「えっ? どういうことだ」
頼りにしていた仕送りをやめると言い出し、カズユキさんは驚きが隠せません。
「小さいころから勉強ばかりさせられて、好きなことはなに一つやらせてもらえなかった。試験でいい点取っても褒められないし、大好きな部活も将来の役に立たないから早くやめろって言われて」
「でも、オレのおかげでいい暮らしができてるだろう?」
「そういう恩着せがましい言い方がうんざりなんだよ。なんでずっと仕送りしてたかわかる? 毎月8万円を10年以上。もう学費分は払ったと思うから、これでチャラだろ。もう、『オレのおかげ』とか二度と言わないでほしい」
まさかの宣告に呆然とするカズユキさんを置いて、ユウトさんは自分の家族とともに帰っていきました。
