「うんざりなんだよ」息子が突きつけた〈まさかの宣告〉

今年の正月、ユウトさんが家族を連れて帰省してきました。夕食を共にしお酒も入り、饒舌になったカズユキさんがこうこぼします。

「おいユウト、お前も昇進して給料上がったろ? そろそろ海外旅行に連れて行ってくれてもいいんだぞ」

すると、いつもおとなしく、父の言うことを黙って受け入れるユウトさんがこう返しました。

「……勝手に行ったら?」

予想もしない返答に面食らっていると、意を決したように続けます。

「住宅ローンもあるし、娘も生まれたばかりでこれから教育費がかかるところだし、正直難しいよ。それにこの際だからはっきりさせておくけど、もう仕送りはやめようと思ってる」

「えっ? どういうことだ」

頼りにしていた仕送りをやめると言い出し、カズユキさんは驚きが隠せません。

「小さいころから勉強ばかりさせられて、好きなことはなに一つやらせてもらえなかった。試験でいい点取っても褒められないし、大好きな部活も将来の役に立たないから早くやめろって言われて」

「でも、オレのおかげでいい暮らしができてるだろう?」

「そういう恩着せがましい言い方がうんざりなんだよ。なんでずっと仕送りしてたかわかる? 毎月8万円を10年以上。もう学費分は払ったと思うから、これでチャラだろ。もう、『オレのおかげ』とか二度と言わないでほしい」

まさかの宣告に呆然とするカズユキさんを置いて、ユウトさんは自分の家族とともに帰っていきました。