入居一時金4,000万円を支払い、「一生安泰」と信じて高級老人ホームに入居した70代夫婦。しかし6年後、妻の認知症進行によって事態は一変します。施設から突然「月8万円の追加費用」を請求され、退去しようにも返還金はゼロ。毎月18万円の赤字に直面し、老後資金が底を突く恐怖に怯える夫婦の事例をもとに、元社会福祉士のFPが「高齢者施設選びの注意点」を解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
聞いてないぞ…〈入居一時金4,000万円〉の高級老人ホーム。入居6年後、年金月23万円・70代夫婦が絶望した「月8万円の追加請求」【元社会福祉士FPが警告】
〈入居一時金4,000万円〉の高級老人ホームで「一生安泰な老後」のはずが…
ノリオさん(仮名・73歳)と妻のタエさん(仮名・70歳)は現在、入居中の「高級老人ホーム」から特別養護老人ホームへの転居を各所に相談しています。
しかし待機者が多くすぐには入所できないため、不安に怯えながら貯金を切り崩し、現在の施設に留まらざるを得ない日々を送っています。
夫婦が入居一時金4,000万円を支払い、この施設へ入居したのは今から6年前のことでした。「一生安泰」の老後を手にしたはずの二人が、なぜ破綻寸前の事態に追い込まれてしまったのでしょうか。
都内の大手企業で定年まで勤め上げたノリオさん。現役時代はずっと社宅暮らしで生活費を抑え、夫婦でコツコツと貯金6,000万円を築きました。二人の年金は月約23万円。慎ましく暮らせば十分に生活できる水準です。
しかし、お互いの足腰が弱くなってきたこともあり、「子どもたちに迷惑をかけたくない」「プロの手を借りて安心して最期を迎えたい」と、一念発起して「住宅型有料老人ホーム」への入居を決断します。
担当者からは、「介護が必要になっても安心ですよ」「すべてお任せください」という説明を受けました。そこは、ホテルのようなロビーにレストランや遊戯室など充実した共用施設を備えた、まさに「高級老人ホーム」でした。
入居一時金4,000万円を支払い、月額利用料は夫婦の年金(23万円)+10万円です。手元の貯金は減りますが、「これで一生面倒を見てもらえる」と、二人は安心しきっていたのです。