2024年から新NISAが始まり、ブームに乗って資産運用を始めた人も多いなか、多くの人が「オルカンとS&P500、どちらを買うべきか」といった商品選びの悩みを抱えています。しかし、投資商品の選択は入り口に過ぎず、特に運用期間が限られている50代・60代にとっては「その後どうやって取り崩すか」が成功を左右するポイントとなります。本記事では、YouTubeチャンネル登録者数40万人超の人気FP・鳥海翔氏が、新NISAで陥りがちな失敗パターンと、老後資金を枯渇させないための「逆算のルール」と「出口戦略」について解説します。
〈新NISA〉で失敗する50代・60代の共通点…「オルカンかS&P500か」よりも考えたい”年金と老後資金から逆算する”出口戦略【FPが警告】
暴落時は取り崩し停止…資産を守る「出口戦略のルール」
積立投資の段階では、相場の暴落は気にする必要がありません。下落局面では安値で大量に株式を購入できるため、最終的には右肩上がりで回復する相場環境ではむしろ有利に働きます。
重要なのは、暴落時にパニックになって投資をやめないことです。広く分散されたインデックス投資であれば、歴史が証明する通り、長期的には成長するため、積立期間の暴落に怯える必要はありません。
しかし、資産を取り崩す時期には戦略が異なります。生活費の2年分程度の現金を保有することが必要です。月30万円の生活費であれば、720万円の現金を目安として保有すべきです。
取り崩し期に暴落が生じた際は、株価が最高値から20%以上下落した場合、取り崩しを一時停止し、保有する現金から生活費を賄うべきです。20%以上の下落は弱気相場のサインとされ、反発までに時間がかかる傾向があるためです。株価が回復して最高値から20%以内に戻ったら、取り崩しを再開し、現金を元の水準に戻していく作業を行います。
ポートフォリオは複雑化させず“シンプル”に保つ
投資先の決定後、多くの人は複数の投資商品を持つことで分散を意識しすぎます。しかし、個別株、国債、高配当株、ゴールドなど複雑に組み合わせると、全体の収益率が不明瞭になり、取り崩し時にどの資産から売却すべきか判断できなくなります。
投資先はS&P500や全世界株式に限定し、シンプルに保つことが得策です。すでに複雑なポートフォリオを保有している場合は、この機会に自分でもわけがわからない投資先を整理し、シンプルな構成に改編することをおすすめします。
新NISAで成功する50代・60代に必要なのは、投資商品選択後の実行計画です。理想の老後生活、受け取れる年金、足りない金額を逆算し、具体的な毎月投資額を決定する。これが単なる情報ではなく、実行可能な判断基準となるときにこそ、資産形成は大きく前に進みます。
鳥海 翔
株式会社Challenger代表取締役
FP(ファイナンシャル・プランナー)/投資家
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