子がいない夫婦の場合、「亡くなった配偶者の財産はすべてのこされた配偶者が受け取れる」と思っている方も少なくありません。しかし民法では、配偶者が3分の2、父母が3分の1という「法定相続分」が定められており、配偶者だけでなく被相続人の親にも遺産を受け取る権利があります。このルールがきっかけで、それまで良好だった家族関係に思わぬ亀裂が生じることも……。48歳の妻と義母の事例から、弁護士の山村暢彦氏が「子がいない夫婦」に起こりがちな相続トラブルと、その予防策について解説します。
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「あんなに優しかったのに…」夫が急死して四十九日、義母からの一本の電話。48歳妻が絶句した〈恐るべき本題〉【弁護士が解説】
夫が急死…悲しみに暮れるなか義母からかかってきた「一本の電話」
ミキさん(仮名・48歳)は、半年前に夫のトモヤさん(仮名・50歳)を病気で亡くしました。夫婦に子どもはおらず、20年以上二人で支え合って生きてきました。トモヤさんの両親との関係も良好で、特に義母はミキさんを実の娘のように気遣ってくれる優しい人でした。
夫を失った悲しみは深く、ミキさんはなかなか立ち直れない日々が続きましたが、なんとか四十九日の法要を終えた矢先、義母から一本の電話がかかってきました。
電話口の義母は、最初はトモヤさんの思い出話で涙ぐみ、ミキさんの体調を案じてくれました。しかし、ひとしきり話が終わると、声のトーンを落として思いもよらないことを切り出してきました。
「トモヤの遺産のことなんだけど……。親の私たちにも受け取る権利があることは、わかってるわよね?」
「親にも権利がある」…豹変した義母の態度に驚愕
突然の言葉に、ミキさんは戸惑いを隠せませんでした。トモヤさん名義の財産は、現在ミキさんが暮らしている自宅マンションと、夫婦で老後のためにコツコツ貯めてきた1,500万円ほどの預金です。ミキさんは、「子どもがいないのだから当然自分がすべて相続するもの」と思い込んでいました。
言葉に詰まるミキさんに対して、「もしかして、自分ひとりで全部もらうつもりだったの?」と、義母の口調は豹変します。
慌てたミキさんが、努めて冷静に「直接お会いして、遺産分割協議をしましょう」と提案しても、義母は「面倒な手続きなんてどうでもいいわよ。早く私たちの分を計算して現金で振り込んでちょうだい」と一方的にまくし立てるばかりでした。
