老後をひとりで暮らすか、ふたりで暮らすか。ライフスタイルによって「お金との付き合い方」は異なります。たとえば、ふたり暮らしの「消費支出」は単純に単身世帯の2倍になるわけではなく、住居費や水道光熱費などに特有の家計バランスが存在します。本記事では、横山光昭氏、関口博美氏による著書『おふたりさまの老後資金は「これ」で増やす』(小学館)より一部を抜粋・再編集して、単身世帯(おひとりさま)と夫婦世帯(おふたりさま)の具体的な家計データを比較しながら、それぞれの生活費の実態について解説します。
健康・経済・孤独…「老後の3K」不安にどう備える?データで読み解く「おひとりさま」と「おふたりさま」の生活費【FPが解説】
データで見る「ふたり暮らし」の優位性…おふたりさまの生活コストは2倍ではない
生活コストの視点で単純比較すると、おふたりさまの優位性は明らかです。ふたり暮らしの場合、生活費などにかかる「消費支出」が2倍になるというわけではないからです。この点については、長い間、ふたり暮らしをしている夫婦の方などは、身をもって実感済みだと思います。
総務省の「家計調査」(2025年)の数字で具体的に比較してみましょう。65歳以上無職の単身世帯の消費支出が月14万8445円であるのに対して、夫婦世帯は月26万3979円。単純に単身の2倍になるわけではなく、1.8倍未満にとどまっています(図②参照)。
また、図③の表は、消費支出の内訳を踏み込んで比較したものです。住居費や水道光熱費などが大幅に抑えられるため、ふたりで暮らせば意識的に節約しなくても、毎月3万3000円ほどの支出削減(コスパ分)になるという見方ができます。
定年後も働けば「おふたりさま」はさらに盤石に
消費支出の内訳を比べると、夫婦世帯は単身世帯に比べて、保健医療費が2.1倍、交通・通信費が2.3倍かかっています。これらは概ね夫と妻の個々に費用がかかりやすい項目です。
一方、共有して使う住居費や水道光熱費、交際費などは1.3〜1.5倍ほどにとどまり、節約効果の大きい項目といえます。ちなみに収入面を比較すると、夫婦世帯は単身世帯の1.9倍で、支出の1.8倍より効果は増します。
定年後も労働収入を得ることが当たり前という時代になると、おふたりさまのメリットはさらに大きくなると予想されます。
横山 光昭/関口 博美
ファイナンシャル・プランナー
株式会社マイエフピー

