定年退職は、家計の支出が大きく変化するタイミングです。その際、退職金という「これまで受け取ったことのない大金」を手に入れることで、冷静な判断を失ってしまう人も……。では、そうならないためにどのような準備・対策が必要なのか、64歳男性の事例をもとにみていきましょう。
助けてください…退職金3,000万円の64歳元会社員、定年後4年で「1,000万円」を失った“厄介な理由”【CFPが警告】
浪費にブレーキがかかったキッカケ
その後、シンジさんは第三者の客観的な意見を求め、妻に内緒でファイナンシャルプランナー(FP)を訪ねました。
「節約するしかないと、頭ではわかっていても止められないんです。助けてください……」
そう嘆くシンジさんの収支を確認したところ、毎月およそ16万の赤字であることが判明しました。シンジさん夫妻がこのままの生活を続けた場合、75歳前後で資金が尽きてしまいます。
また、今後の物価上昇や医療費の増加、車の買い替えなどの支出も考慮すると、さらに早まる可能性が高いでしょう。
詳細な数字とともに改めて現実を突きつけられたシンジさんはショックを受けていたものの、家計の見直しにより、資金の枯渇を大きく先送りできることも分かり、ひと安心。まずは毎月の生活費を35万円以内に抑えることを目標に、夫婦で支出を見直すことにしました。
シンジさんは、現在の課題と将来に向けた対策を具体的な数字で確認できたことにより、漠然とした不安が解消できたようでした。
「まずはできることから、ひとつずつ見直していきます」と語るシンジさんの表情には、前向きな覚悟が見えました。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP
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