「最悪の事態」を回避するために

では、こうした事態を回避するためにはどうすればいいのか、「子への援助が苦しい」「親に甘えてしまっている」といった心当たりがある人は、ぜひ次の3つの対策を講じてみてください。

1.「老後資金」の現在地を可視化する

まずは収支を洗い出し、数値化することで、不足分が明らかになるため「漠然とした不安」が解消されます。

カズミさんの場合、現在の資産は900万円です。健康で自立した生活が続く限り、月13万円の年金で暮らせそうとのこと。しかし、将来家の修繕費や医療費の増加が予想されます。したがって、預金の目減りを完全に防ぐことは難しいでしょう。

先述した介護費用(10年で約1,680万円)を基準に考えると、いまのままでは約800万円ほど不足する可能性があります(年金収入を加味しない場合)。

2.子どもに資産状況を共有する

子どもが甘えてくる原因は、親の懐事情を理解していない点にあります。したがって、可視化した事実を子どもに共有するのもひとつの手です。

その際、「あなたに負担をかけたくない。でも、このままでは資金不足になるかもしれない。だから、これからは少し節約したい」とはっきり意思表示することで、子ども側も納得しやすくなるでしょう。

3.援助の「ルール」を設定する

わが子に「お金がない」と直接伝えるのは抵抗があるかもしれません。しかし、「孫の誕生日や入学・卒業などの節目のお祝いは欠かさない」「年間10万円まで」など援助の上限を設けることで、予算を超えるお願いがあった場合に「予算オーバーだから」と断りやすくなります。

いったん援助を始めてしまうと途中で打ち切るのは心苦しいものです。親としてのプライドもあるでしょう。しかし、少しでも老後資金に不安があれば、1日も早く自身の「安心」を最優先にした資産管理を始めることをおすすめします。

山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表

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