金額の大小はあれど、「愛するわが子や孫のために」と金銭援助をしたことのある人は多いでしょう。しかし、過剰な援助は、自身の家計が苦しくなるだけでなく、わが子にも負担をかける危険性があるため注意が必要です。とある親子の事例をもとに、親子間の金銭援助の危険性と、親の老後資金を守るための具体策をみていきます。
渋滞に巻き込まれる前に帰ったら?…年金月13万円の67歳女性、GW帰省中の39歳息子の車で外食に→実家到着直後に告げた“冷酷な一言”の真相
我慢の限界…息子に告げた“冷酷な一言”
以来、息子は長期連休のたびに家族で帰省し、援助をねだるようになったのでした。
「もうすぐ娘の誕生日でさ」「ここの食事代は母さんが出してくれない?」「節句の祝いをしたくて」などと、なにかと理由をつけては遠回しに要求してきます。
いわれるがまま援助を続けているカズミさんですが、自身の年金収入では足りず、毎度預金を取り崩して対応しているのが現状です。ざっと計算してみると、息子一家のために使っている金額は年間30万円ほど。そんな生活が数年続くうちに、1,100万円あったはずの預金は900万円になっていました。
GW初日、カズミさんのお金で外食した帰り、息子が運転する車で実家に到着。お礼の一言もない息子家族に我慢の限界を迎えたカズミさんは、車を降りながらこう言いました。
「あなたたち、渋滞に巻き込まれる前にもう帰ったら?」
介護が必要になれば「老後破綻」の可能性も
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」(2024年度)によると、施設介護にかかる費用の平均は月額13.8万円だそうです。
また、介護期間の平均は4年7ヵ月ですが、内訳を見ると「4~10年未満」が最も多く、仮に介護期間を10年と想定すると、必要な費用は総額で約1,680万円にのぼります。
カズミさんがこのまま介護を必要とせず、自立した生活を続けられるのであれば、あと30年は十分に暮らしていける見込みです。しかし、ひとたび介護が必要な状態になれば状況は一変し、資金が枯渇してしまう可能性もあります。
すでに預金が目減りしている現状を考えると、将来への不安は拭いきれない状況です。
過度な援助は親子の「共倒れ」を引き起こすケースも
筆者の経験上、カズミさんのように自立心が強い人ほど、かえって弱い部分を見せられず、結果として自分の首を絞めてしまうケースが少なくありません。
また、親の資金が枯渇してしまうと、結果として子にも負担がかかるケースも多いため、最悪の場合「共倒れ」につながる危険性があるのです。