我慢の限界…息子に告げた“冷酷な一言”

以来、息子は長期連休のたびに家族で帰省し、援助をねだるようになったのでした。

「もうすぐ娘の誕生日でさ」「ここの食事代は母さんが出してくれない?」「節句の祝いをしたくて」などと、なにかと理由をつけては遠回しに要求してきます。

いわれるがまま援助を続けているカズミさんですが、自身の年金収入では足りず、毎度預金を取り崩して対応しているのが現状です。ざっと計算してみると、息子一家のために使っている金額は年間30万円ほど。そんな生活が数年続くうちに、1,100万円あったはずの預金は900万円になっていました。

GW初日、カズミさんのお金で外食した帰り、息子が運転する車で実家に到着。お礼の一言もない息子家族に我慢の限界を迎えたカズミさんは、車を降りながらこう言いました。

「あなたたち、渋滞に巻き込まれる前にもう帰ったら?」

介護が必要になれば「老後破綻」の可能性も

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」(2024年度)によると、施設介護にかかる費用の平均は月額13.8万円だそうです。

また、介護期間の平均は4年7ヵ月ですが、内訳を見ると「4~10年未満」が最も多く、仮に介護期間を10年と想定すると、必要な費用は総額で約1,680万円にのぼります。

カズミさんがこのまま介護を必要とせず、自立した生活を続けられるのであれば、あと30年は十分に暮らしていける見込みです。しかし、ひとたび介護が必要な状態になれば状況は一変し、資金が枯渇してしまう可能性もあります。

すでに預金が目減りしている現状を考えると、将来への不安は拭いきれない状況です。

過度な援助は親子の「共倒れ」を引き起こすケースも

筆者の経験上、カズミさんのように自立心が強い人ほど、かえって弱い部分を見せられず、結果として自分の首を絞めてしまうケースが少なくありません。

また、親の資金が枯渇してしまうと、結果として子にも負担がかかるケースも多いため、最悪の場合「共倒れ」につながる危険性があるのです。