入居前に考えるべき「3つの相続税対策」

1. 実家不動産の相続税評価を下げる 

これは「小規模宅地の特例」といい、子どもが親と同居していて、その子が実家の土地を相続する場合、実家の土地の相続税評価を80%下げてくれる特例です。大幅に財産評価を下げることが可能なので、かなり有効です。例えば入口が別の2世帯住宅でも適用されますし、親が同居後に施設に入居した場合でも大丈夫です。(入居目的が介護が必要な場合のみ)また、別居している子どもでも、賃貸住宅に居住していて死後に実家の土地を相続する場合はこの特例適用が可能です。

[図表5]小規模宅地の特例

2. 預貯金を贈与して財産を減らす 

単純に親が自分の預貯金を贈与すれば「贈与税」がかかるわけですが、いくつかの贈与税が非課税になる措置があります。

●贈与税の年間控除額110万以内で現金を贈与する

年間110万円までは贈与税はかかりません。1名につき110万円なので、親から子・子の配偶者・孫などに贈与してもらう方法です。ただし、死亡前7年以内の贈与は相続財産に含まれますので、注意しましょう。

●住宅取得資金贈与  

子や孫が新築住宅を購入又は大規模リフォームをした場合に、その費用に充てるために親から資金を贈与された場合、最大1,000万円が非課税となります(2026年12月末まで)。住宅の構造や広さの適用要件がありますので、詳細は不動産会社などに確認しましょう。

●教育資金贈与 

例えば孫の大学入学金を贈与したような場合など、必要なタイミングで贈与された教育資金は扶養義務の範囲であればそもそも非課税です。 

ただし一般的な金額を超えないことが非課税の前提になります。もっと多額の教育資金を贈与したいなら、30歳未満の子や孫に対しての教育資金の贈与を1,500万円まで非課税にできる「教育資金贈与の非課税措置」という制度があります(2026年3月まで)。

信託銀行などと契約を結び、あらかじめ銀行に資金を預け入れ、教育資金の請求書や領収書を提示して引き出すという方式です。留学費用や英語学校の学費などにも使用できますが、子や孫が30歳を超えた時点で残っている資金には贈与税が課されますので、計画的な使用が大事です。

[図表6]教育資金贈与の非課税措置

3. 死亡保険金の相続税非課税枠 

親が生命保険に加入している場合、死亡保険金500万円×法定相続人は相続税が無税になります。例えば、法定相続人が妻と子ども2人の3人だと500万円×3=1,500万円が無税となります。保険料を一括で払う保険だと、預貯金で持っているより有利になる場合もあります。


丸山 幹也
ファイナンシャルプランナー