相続をめぐる争いは後を絶ちません。特に、故人が生前「隠しごと」をしていて、その隠しごとが死後に判明したようなケースでは、円満になるはずだった相続が“泥沼の争い”に変わることも……。尊敬していた父の“置き土産”に頭を抱える男性の事例をみていきましょう。弁護士の山村暢彦氏が解説します。
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どうか、夢であってくれ…年収800万円、都内在住の56歳男性が「80歳父の訃報」を受け1年ぶりに帰省→葬儀後に激昂したワケ。原因は「尊敬していた父の“置き土産”」【弁護士の助言】
サユリ側が求める「遺贈」は阻止できるか?
今回の事例のように、公正証書遺言が作成されている場合、形式や内容に重大な問題がない限り、その効力は原則「有効」と扱われます。
そのため、遺言で定められた遺贈については、残された家族として感情的に納得しがたいものであっても、直ちに覆すことは容易ではありません。
また、生前に行っていた仕送りなどについても、法的に当然に取り戻せるわけではないため、ケンジさんが「不公平だ」という感情を抱くのも仕方がないでしょう。ただし、感情と「法律上どう評価されるか」は必ずしも一致しない点に注意が必要です。
加えて、相続人には最低限の取り分である遺留分が認められる可能性があります。
本件では、サユリ側は遺贈を受ける立場ですが、仮に隠し子が法律上の相続人に該当する場合、その者の遺留分や、他の相続人との関係でどのような調整が必要かを慎重に検討する必要があります。
ケンジさんの立場で考えるとモヤモヤするかもしれませんが、感情的対立が激化しやすい場面だからこそ、早期に事実関係の確認と法的整理を行い、現実的な落としどころを探ることが重要といえるでしょう。
山村暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士
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