独立行政法人国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」によると、リフォーム工事にまつわる相談件数は、2024年で9,820件でした。2023年の11,878件に比べると微減したものの、1日あたり約27件の相談が寄せられるなど、依然として「納得のいかないリフォーム工事」が横行しているようです。では、自分や自分の家族がこうした被害に巻き込まれた場合、どう対処すればよいのでしょうか。弁護士に聞きました。
父さんが騙されるワケないだろう…実家のリフォーム代金「550万円」が信じられない49歳男性、77歳父に見せてもらった「まさかの見積書」に絶句【弁護士の助言】
悪徳業者の手口と詐欺から身を守る具体的な対策
本件のような高額リフォーム契約では、「訪問販売」に当たるかどうかが重要なポイントです。
自宅を訪問して勧誘され、その場で契約した場合には、特定商取引法のクーリング・オフが適用される可能性があります。契約書面を受け取ってから8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できる制度です。
また、クーリング・オフの期間が過ぎていても、工事内容の説明が不十分であったり、事実と異なる説明を受けて契約したりした場合には、消費者契約法などを根拠に契約の取消しを主張できる可能性があります。
本件のように「工事一式」といった曖昧な見積書や、その場で契約を迫るような大幅値引きの提示は、悪質なリフォーム勧誘でよく見られる典型的な手口です(※)。
(※)ただ、契約実務に不慣れな中小工務店でも、このような杜撰な見積もり、契約が散見されます。悪徳・悪質な業者と、現代水準の契約実務に追い付いていない企業、どちらもあり得るため注意が必要です。
もっとも、すでに着手金を支払っている場合や工事が始まっている場合には、返金を巡って業者と紛争になることも少なくありません。
また、返金を行うための法的手続にコストや労力が発生することや、相手企業に資力がなく最終的に回収しきれないという状態に陥ることも多いです。
さらに難しいのは、高齢の本人が「自分は騙されていない」と考えているケースが多い点です。家族が異変に気づき、はじめて問題が表面化することも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためには、高額な契約をする前に家族に相談すること、そして必ず複数の業者から見積りを取ることが大切です。
少しでも「急かされている」と感じた場合は、その場で契約せず、一度冷静に検討する時間を持つことが重要といえるでしょう。
山村暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士