暴落時にあわてて売ってはいけない――。投資の世界でよく語られるこの基本原則。平時であれば「そんなこと言われなくてもわかっている」という人も多いでしょう。しかし、地政学リスクが高まり“平時”が揺らぐいま、よりいっそうの注意が必要です。66歳男性の事例をもとに、定年後の資産運用に潜むリスクをみていきましょう。※個人の特定を避けるため、事例は一部脚色して記事化しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
新NISAさえ始めなければ…年金23万円・66歳男性の後悔。たった数ヵ月で「180万円失った事実」を妻はまだ知らない【FPが警告】
妻に発覚…シンヤさんの「その後」
2020年以降、米国株は好調です。今回の事例における「トランプショック」のような事態になっても、過去の傾向では数日〜数週間で上昇基調に戻るケースが多く見られました。
もっとも避けたいのは、シンヤさんのようにこの“異常事態”にうろたえ、衝動的に「狼狽売り」をしてしまうことです。
シンヤさんは180万円という大金を失っただけではなく、投資の失敗がバレて、妻からの信用までをも失うことに。真面目な性格ゆえに老後資産が減っていくことへの強い恐怖があり、さらに定年後であったことから「もう働いて取り返すことはできない」という不安が、損切りを急がせたのでしょう。
180万円というと、夫婦2人の“数年分の海外旅行費”です。シンヤさんが生きがいにしていた「年1回の海外旅行」は、当面おあずけとなりました。
工藤 崇
株式会社FP-MYS代表
FP(ファイナンシャル・プランナー)
IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)