次男を奮起させる方法は

並行して、「サトルさんを自立させるための今後の対応」も重要です。

サトルさんのこれまでの行動はひとえに甘えからくるものと思われますが、親が毅然とした態度を取ってこなかったことも一因でしょう。これからできることはそう多くありませんが、親の本気度を示すことも大切です。

具体的には、たとえば「期限」を設けて支援の打ち切りを予告する必要があります。また、相続しただけでは安泰ではない旨の説明をして危機感を煽ることも効果的です。相続税の概算を算出し、その支払いのためには不動産の売却も必要になるかもしれないと、専門家にも協力を仰ぎながら伝えるとよいでしょう。

そしてなにより、親として「自立に向けた行動をとってほしいこと」をまっすぐ伝えることが大切です。そして本気度を伝えるためにも、「できなければ相続で遺留分しか渡さない。定職について自立できた暁には相応の配分を考える」などの条件を提示してもよいかもしれません。

なお、これらは書面に残すなどして可視化しておくと、その後の行動変容を促しやすくなります。

心配ごとは「問題の本質」をとらえて整理する

今回紹介したケースのほかにも、相続の問題で相談に来た人のなかには、話しているうちに「実はまったく別の問題が潜んでいた」ということがよくあります。タツオさんも「相続の相談」といいつつ、次男の「親への依存」問題が根底にありました。

心配ごとの本質を見極めると、物事の着地点が見えてくることがあります。複雑な事情がある場合には、第三者の客観的な意見を取り入れることを検討してみましょう。

山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表