統計によると、60歳以降も働き続ける人のうち、定年前と比べて給料が半分以下にまで落ち込むケースは約6割。仕事内容は変わらないのに賃金だけが急落する過酷な現実に備え、知っておきたいのが雇用保険による「高年齢雇用継続給付」です。本記事では、『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、著者でFPの横田健一氏が定年後の収入減の対策について解説します。
「減るとは聞いていたけど、ここまでとは…」定年後の給料“半分以下”が約6割。60歳からの収入激減をカバーする「雇用保険」の活用術【FPが解説】
60歳以降は働いても給料が減る…
定年前の半分以下になる人が約6割
多くの企業では60歳が定年ですが、60歳以降は雇用延長や再雇用で働くことができます。65歳まで働くのが一般的になっており、60歳以降も働くなら、リタイアするまで給料が入ってきます。
とはいえ、気になるのはお給料の水準です。50代に入って役職定年で収入が減ることは少なくありませんが、60歳以降はさらに低下するのが一般的です。「減るとは聞いていたけれどここまでとは……」とショックを受ける人も多いので、実態を知っておきましょう。
経済産業研究所の調査(「定年後の雇用パターンとその評価―継続雇用者に注目して」2019年)によると、定年前に比べて収入が5割以下に減った人は全体の約59%、6~7割に減った人は約30%にのぼり、8割~同程度を維持できている人は11%です。かなりシビアな状況です。
定年後の仕事の変化でもっとも多いのは、「60歳時(定年前)と同種」で、それなら賃金も同じでいいはずが、5割以下に減った人が約49%、6~7割が約36%となっており、8割~同程度は約16%です。仕事内容が「管理職、経営支援、アドバイス」の場合は収入が8割~同程度の割合がもっとも高いものの、それでも19%弱にとどまり、定年前の6~7割が39%、5割以下が42%となっています。
定年後に「定型的な業務」「60歳時までに関わっていた業務とは関係のない業務」に変化した人では70%以上の人が定年前の5割以下に減っています。定年を境に急に能力が下がるわけではないのに収入が大きく下がるのは、なんともやるせない気がしますが、それが実状です。
65歳まで働くのはかなり一般化しており、65歳以降も働く人は増えていきそうです。どの程度の収入が見込めるのか、勤務先のケースについて把握しておきましょう。