現役時代は真面目にコツコツ働いて資産を形成し、老後は貯金と年金で穏やかに暮らしたい……そう考える人も多いでしょう。しかし、たとえ自分たちが贅沢をしなくとも、「老後破産」の火種は意外なところにくすぶっているものです。溺愛するひとり娘に老後生活を脅かされる夫婦の事例をみていきましょう。石川亜希子FPが解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
31歳“箱入り娘”が告げた「衝撃の事実」に戦慄…年金月27万円・貯金4,000万円の60代仲良し夫婦、穏やかな老後を脅かす“悪意なきスネかじり”に涙目「これ以上はもう、ムリ」【FPの助言】
Cさんの態度が急変したワケ
あのあと、Aさんのいないところで、Bさんから家計の事情などを聞いたCさんは、自分の至らなさを反省した様子です。
週末、にぎやかな娘家族は帰っていき、家のなかは急にシーンと静まりかえってしまいました。寂しい気持ちもありましたが、このまま何も言い出せずに援助を続けていたら、本当に老後破産に直面してしまったかもしれません。それに、体力的にももたなかったでしょう。
娘や孫の精神的な支えにはなりたいが、金銭面での援助はほどほどにすべきだと、Aさんは改めて思いました。
貯金と年金で穏やかな老後を送ることができる見通しだったとしても、思わぬ出費がかさむことは大いにあり得ます。
親ならば子どもに援助したい気持ちがあるのは当然ですが、「援助すること」と「自分たちの暮らしを守ること」のバランスを取ることが大切です。自分たちの暮らしを守ることが、長い目で見れば家族のためになるのです。
感情のまま援助するのではなく、老後資金を確保した上で、無理のない範囲でお互い支え合っていきたいですね。
石川 亜希子
AFP