年末年始に(義)実家に帰省する人も多いと思います。直接会ったり、家を訪ねたりする機会だからこそできるちょっとしたこととは? ケアマネジャーの田中克典氏の著書『親への小さな恩返し』(主婦と生活社)より次の帰省時に実践できる小さな恩返しについて解説します。
冷蔵庫の中を一緒に片付ける
実家の冷蔵庫の中を整理したことはありますか? 高齢世代には、「食べ物は冷蔵庫に入れておけば悪くならない」という“冷蔵庫神話”が少なからずあります。帰省したら、消費期限が切れた食材が眠っていないかチェックしてみましょう。同様に、食品庫などに保存してある乾物や缶詰も忘れずに確認を。
期限切れの食品とはいえ、勝手に捨ててしまうと親の機嫌を損ねることがあります。食料品は「消費期限内に食べ切る」ことを再認識してもらう意味でも、冷蔵庫や食品庫のチェックは親と一緒に行うことが肝心です。
賞味期限なら数日過ぎても食べられるものもあります。捨ててしまうより、消費期限が迫っている食品などと一緒に調理して食卓に並べたほうが、親も「もったいない」という不満を抱かずに済みます。
足腰が弱ると、居間から冷蔵庫まで飲み物を取りに行くのがしんどくなる人もいます。そんなときは、居間にミニ冷蔵庫を置くのも喜ばれる恩返しになるでしょう。
テレビなどのリモコンをきれいにする
毎日使うものの汚れは、使っている本人には気付かないことが多いです。いつも目につく場所に置いてある、テレビやエアコンなどのリモコンがいい例です。
ボタンの隙間にほこりがたまっていたり、手垢で汚れたりしていたら、爪楊枝や除菌クリーナーを使ってキレイに掃除してあげましょう。その際、電池残量もチェックして(チェッカーは100円ショップでも売っています)、切れる前に電池も取り替えておきます。
体温計や家庭用血圧計、電卓などの小型電化製品のボタン電池は、交換方法がわからない高齢者もいます。これらも除菌清掃したら、念のために電池残量の確認を。
親がパソコンを使うのであれば、キーボードは忘れずに掃除してあげてください。裏返しにすれば、小さなゴミやほこりがたくさん落ちてくるはずです。それを親にも見せて、「毎日使っていれば汚れがたまる」ことを伝えます。隙間掃除用のブラシなどを用意してあげるのも、親には喜ばれるプレゼントになります。