マンガ家の影木栄貴(えいき・えいき)さんが50歳にして結婚するまでの道のりを赤裸々に綴った初のエッセイ本『50婚 影木、おひとり様やめるってよ』(KADOKAWA)が5月に発売されました。1987年から1989年に内閣総理大臣を務めた故・竹下登さんの孫、ミュージシャンでタレントのDAIGOさんの姉で、最近は北川景子さんの義姉という肩書き(?)も加わった影木さん。「私は残された人にどれだけお金を残せるのかを目標に生きている」と話す影木さんにお話を伺いました。
「縁はつながってナンボ」
――それってとても素敵な考え方ですね。
影木:人間関係に関していえば、よく「嫌な人やムカつくがいたら縁は切ったほうがいい」というじゃないですか。でも、私はやっぱり縁ってつながっていてナンボと思っていて……。巡り巡ってつながっていてよかったと思うことのほうが多いんです。
例えば誰かと揉めたときも本当にそのときの感情で簡単にバサバサと切るのではなくて、距離をとるくらいにしておく。そうすると何十年後かにふと「つながっていてよかった」と思うこともあるんです。この年になるとすごくそういうことが多いんです。
――ちょっとわかる気がします。年を重ねたからこそわかることなのかもしれないですね。
影木:立場や状況が変わるとその人に抱いていた気持ちも変わることがあるんですよね。この前、高校の同窓会があったのですが、まさにそれでした。私が高校のときは一部の人としか仲良くしていなくて、同窓会に来ている人たちとは当時は特に仲良くもないし話したこともほとんどなかったのですが、今はすごく仲がいいんです。
――それは面白いですね。
影木:本にも書いた通り、学生時代はおとなしくてあまり喋らない子だったので……。でも、今ではバリバリ発言できる人になっている。今のほうが他人と腹を割って話せるようになっているんです。だから、年を取ったり状況が変わってくると全く違う自分になっていたりするから「もうあの人とは話さない!絶縁!」みたいなことは極力しないほうがいいのかなと思いました。
――仕事関係の人間関係もそうかもしれないですね。
影木:アシスタントさんとかもあまりいい感じでない辞め方をした人もいるのですが、一周回って何か仕事をお願いするとかもあったりするし。もちろん、相手がこちらと関わりたくない場合は切れてしまうのですが、こっちさえ開いていれば向こうが扉を開けてくれたときに受け入れられるというか……なので私は苦手な人からの連絡も待っています(笑)。
THE GOLD60編集部