ステップ3:試しにやめてみる

ふと「毎日メイクをする必要はないのでは?」と、試しにやめてみた人がいました。それでまったく問題がないことに気づいたそうです。ほかにも掃除や買い物の回数を減らした人もいますが、とくに問題はありませんでした。「試し」にやめてみて問題がなければ、そのまま本当にやめられます。もし問題があれば、再開すればいいだけです。


相手がいることでも、じつは、やめて問題ないことが多いです。形骸化した日報をやめた人もいます。上司に何か言われるかと思ったら、とくに言われなかったそうです。日報の代わりに口頭で状況を伝えるだけで済んだのだとか。


私もハンコをやめました。ある大手企業に請求書を出すときに、「電子印」を押すように指示があったのですが、ハンコなしで提出したのです。電子印と言っても、ただ赤字で「今井」と書いて丸で囲んだ画像のことです。ネットにいくらでも出まわっているので本人確認の意味はまったくありません。

その金額は少額だったし、「どうしても電子印が必要なら、代金は結構です」とひと言添えて、ハンコなしで請求書を出しました。結局、月末にはちゃんとお金が振り込まれていました。やめても問題なかったのです。そもそも、請求書にハンコが必要という法律はないですからね。

ステップ4:次からは引き受けない

すでに引き受けてしまった仕事を、途中で投げ出したくなるということもあるでしょう。以前、友だちに「ネクタイを一緒に売ってほしい」と頼まれて、一度引き受けてみましたが、まったく売れませんでした。セミナーや講演会であれば、苦労してでも工夫してがんばれるのに、ネクタイのときはまったくやる気が起きなかったのです。


自分の気持ちを確かめてみて、私は「人の成長」につながることしかやる気が起こらないのだということに、そのとき気づきました。そのビジネスの手伝いは、キリのいいところまでやって終了しました。それ以来、人の成長に関わることしか引き受けないようにしました。こういった場合は、頼まれたことはしっかりやり遂げて、次からは引き受けないようにすればいいと思います。


そういう仕事をイヤイヤやったりダラダラと継続したりすると、相手からの信用を落としますし、気分の悪い時間を長く味わうことになってしまいます。大変かもしれませんが、自分のやりたいことにまい進するためにも、相手の信頼を勝ち取るためにも、さっさとやり遂げてしまいましょう。
 

今井孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング代表取締役