高齢の「おひとりさま」が自宅を片づけようとする際、知っておいたほうがいいことがあります。それは、一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事の杉之原冨士子氏によると、「人生を楽しむための片づけ」だそうです。杉之原氏の著書『おひとりさま最後の片づけ やるべきこと・やらなくてもいいこと』より、詳しくみていきましょう。
ポイント(3)完璧を目指さない
おひとりさまの片づけを始めるにあたり、ぜひ知っておいて欲しいことがあります。
この時期の片づけは、若い頃の片づけとは大きく違うことです。それは、すべての場所を整理して、完璧な片づけをする必要はなく、今、「使っている場所」と「使いたい場所」を優先して片づければいいのです。
すぐに始めなければと焦りがちですが、まずは優先順位を決めて、片づけることがポイントです。おひとりさまの片づけに、新しい収納のノウハウなどは不要です。これまで長い間こなしてきたあなた流のやり方でいいのです。「きれい」かどうかではなく、「あなたが使いやすい」かどうかで整理すればいいのです。
この記事を読んでいる今、あなたは片づけをしようと前向きな気持ちになっているはずです。けれども、モノと向き合うには、時間がかかり、途中で面倒になるかもしれません。
だからこそ大事なことは、すべての部屋を完璧に片づけることではなく、自分のために自分の好きな場所を片づけることだと知って欲しいのです。
面倒だと思う方はできる場所からでかまいません。この段階でいやになり、片づけを投げ出してしまうことのほうが問題です。
おひとりさまの片づけは、使っているモノをざっくり残すだけ、収納するだけと大雑把でかまいません。
使っていないモノは処分や移動をして物量を減らします。
たとえば、カトラリーは種類やサイズなどをきっちり分けて収納しなくても、大まかに分けられていればOK。
衣類もあなたのたたみ方で引き出しに収納します。それでは片づかない……と思うかもしれませんが、実は、使っているモノはそれほど多くはありません。量をしっかり減らせば、収納術など気にしなくても、何がどこにあるかわかるように収納できます。
片づけをスムーズに進め、途中で投げ出さないためには、「完璧を目指さないこと」が大切です。