症状を改善するのに欠かせない4つの生活習慣

更年期障害の症状を改善させるためにはいくつかの方法がありますが、自分でできる方法としては、下記の4つが重要になります。

1.質の高い睡眠

睡眠不足はテストステロンの減少を引き起こす可能性があり、更年期障害の症状の悪化に繋がります。そのため、質の高い十分な睡眠を確保することが重要です。毎日一定の睡眠スケジュールを保ち、寝る前のスクリーンタイムを減らし、リラックスできる環境を整えることで、睡眠の質を向上させることができます。

2.バランスのよい食事

食事の面では、やはりバランスの取れた食事を心掛けることが重要です。特に野菜、果物、全粒穀物、健康な脂肪(魚、ナッツ、オリーブオイルなど)を含む食事が推奨されます。またテストステロンの生産に必要不可欠な亜鉛が豊富に含まれている食材として牡蠣やレバーはよく知られています。ほかにも、意外かもしれませんが、ビタミンDが豊富な魚類やキノコ類もいいとされています。

一方、過剰なカフェインやアルコールの摂取は睡眠やホルモンバランスに悪影響を与える可能性があるため、適度な量に抑えることが大切です。

3.適度な運動

適度な運動はホルモンバランスにもいい影響を与えます。有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)や筋力トレーニングを組み合わせると効果的です。特に筋トレはテストステロンの分泌を促進させますが、過度な運動はストレスホルモンのコルチゾールを増加させ、逆効果になる可能性があります。適度な量に留めることが大切です。

4.ストレス管理

ストレスはホルモンバランスに大きな影響を与え、更年期障害の症状を悪化させる可能性があります。深呼吸、瞑想、ヨガなどのストレス管理術を取り入れることでストレスへの対処可能です。また趣味に時間を割いたり、必要であれば専門家やカウンセラーからストレス対策のアドバイスを受けることも有益です。

更年期障害が疑われる場合は…

男性更年期が疑われる場合は、以下のような身体的、心理的な症状が現れたり、生活の質に影響を与えたりする場合があります。これらの症状が持続的であり、日常生活に支障をきたす場合は、医師に相談することが重要です。

・性機能の変化:性欲の減退、勃起障害、性的なパフォーマンスの低下などが見られる場合があります。
・気分の変化:イライラ、不安、うつ症状、情緒不安定などが現れる場合があります。
・疲労感:疲れやすさ、活力の低下、体力の減退などが見られる場合があります。
・睡眠障害:眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりする場合があります。
・体力や筋力の低下:筋肉の減少、運動能力の低下、身体の柔軟性の低下などが見られる場
合があります。
・骨密度の低下:骨粗しょう症のリスクが増加し、骨折しやすくなる場合があります。
・脂質代謝の変化:高コレステロールや高血圧などの心血管疾患のリスクが増加する場合があります。

これらの症状は個々に現れる場合もありますし、複数の症状が同時に現れる場合もあります。

また、これらの症状は男性更年期障害に限らず、ほかの健康上の問題やストレスによっても引き起こされる可能性があるため、医師に相談して詳細な評価を受けることが大切です。医師は適切な検査や評価を行い、適切な治療法や管理方法を提案してくれます。もし更年期障害が疑われる場合は、一度クリニックを受診されてみてはいかがでしょうか。
 

中村 有吾
オトコノクリニック院長/なかむら産業医療コンサルティング事務所代表産業医