年齢を重ねるとともに、シワやたるみでくすんでいく肌。そんな60代の肌にこそ最高に映えるファッションアイテムが「アクセサリー」であり、「アクセサリーを選ぶ際、高価なものである必要はまったくない」と、グッドエイジスタイリストの花本幸枝氏は言います。花本氏の著書『今日からもっと自由に楽しく 60歳からの着こなし』より、詳しく見ていきましょう。
「アンティーク」なら、落ち着いた光沢感が肌に馴染む
繰り返しになりますが、私たち世代には、アクセサリーは必須です!
そういう私も、数年前まではほとんどアクセサリーをつけませんでした。まず重いネックレスは肩が凝るので無理、ピアスの穴を開けていないので、イヤリングだと痛いし落としそうです。唯一、指輪だけはつけていました。
ところが、くすんだ顔を明るくするのにキラキラが効果的だと気づいてから、急にアクセサリーに目がいくようになりました。最初はキラキラに目が慣れていないせいか、なんとなく違和感があり落ち着きません。このキラキラがもう少し控えめだったら……と思いながらアクセサリー入れを探してみると、母の使っていたブローチを見つけました。50年ほど前のものでしょう。シルバーがちょうど良い感じにくすんでいて、程良く落ち着いて見えました。
アンティークという手があったんですね。
ピカピカしたアクセサリーに抵抗がある方は、アンティークアクセサリーから始められてみてはいかがでしょう。アンティークの良いところは、程良い光り方だけでなく、その時代だからできた細工など、人の温もりを感じるところです。
高価なイメージがありますが、要は古いアクセサリーで、古着屋さんでも見つけることができます。時を経たアクセサリーは、歳を重ねた私たち世代と同じキャリアを重ねていますから、とても馴染みます。そこには、時を経たからこその優しい美しさがあります。人も、モノもそうではないでしょうか。
時間は、衰えさせるものもあれば、新たな魅力も生み出します。
アンティークアクセサリーは、そんなことも教えてくれます。
「アンティーク」とは、製造から百年以上経っているものを指すので、正確には「ヴィンテージ」や「ユーズド」と呼びます。でも私は「アンティーク」という響きが素敵なので、ついついそう呼んでしまいます。新しくなくても、素敵なものはたくさんあります。
私たちもそうありたいと思います。
花本幸枝
グッドエイジスタイリスト