床の傾きは事業の傾き!? 工場に求められる修正工法

日本の建物の9割が、地盤に起因する歪みの問題を抱えています。本連載では、工場・倉庫を対象に、より少ないリスクで確実な修正効果を得られる、床の傾き・たわみの「トクする修正工法」を紹介していきます。

工場所有者にとって「最もトクをする」工法を選択

床の傾き・たわみは、修正すること自体がリスクの塊のようなもの。難しい選択が迫られるというのが現実です。

 

だからこそ、リスクがより少なく、確実な修正効果を得られ、“術後の回復”が早い方法を選ぶべきなのです。本連載では、そのようにコストパフォーマンスが高い工法を「トクする修正工法」としてご紹介いたします。

 

一口に地盤沈下、床の傾き・たわみといっても、そこで営まれる事業はさまざま。建物の種類や面積、立地、そして何より地盤の沈み方や現れている“症状”もさまざまです。どの工法を選べば、最もトクをするか。それを考えるには、工法ではなく、建物の持ち主や管理者、使う人の希望を洗い出すのが最優先でしょう。

7つに大別できる利用者の希望

建物を取り巻く環境・条件は多様でも、多くの場合、希望は以下の7点に集約できます。

 

①短期間で修正したい

 

修正工事そのものは1円の利益も生みません。それどころか、損失を生じさせます。利益を生まない時間は最小限に抑え、利益の追求に充てられる時間を早く取り戻すことが賢明でしょう。また、工事が長引けば、建物を使う人々のメンタル面への悪影響も憂慮されます。したがって、工事にかかる時間は短期間であればあるほど、望ましいといえます。

 

②修正工事期間中も操業を続けたい

 

操業を止めてしまっては、その間、売上が立たないのですから、誰もが操業を続けながらの工事を希望するでしょう。①と同じような意味合いですが、操業を中止するとなると、売上ゼロ以上の悪影響が考えられます。

 

しかし実際問題として、荷物や機械、商品棚などが載り、働く人々が活動する床を修正するのですから、それらを移動せずに、そして人の活動を止めずに工事を行うことが果たして可能でしょうか。

 

③騒音、振動など、近隣への悪影響を避けたい

 

工業団地内の建物でしたら優先順位は低いかもしれませんが、すぐ近くに住宅や学校がある土地での騒音、振動対策は、必ず手を打っておかなければなりません。自治体によって規則に違いがありますが、多くの場合、著しい騒音・振動を発生させる作業が指定され、騒音のレベル、作業時間・期間が定められています。

 

④産業廃棄物の排出を避けたい

 

産業廃棄物の廃棄には軽視できないコストがかかりますから、産業廃棄物はゼロ、ゼロが無理だとしても限りなくゼロに近いほうがよいのです。

 

⑤修正効果を恒久的に維持したい

 

新築時は問題なかったであろう床が傾いた結果、修正工事が必要になっているわけですから、将来も同じ事態に陥る可能性があることは、すでにご説明したとおりです。工事費用は数年ごとに発生する必要コストと考えなければならないのでしょうか。コストだけでなく、さまざまな大きなエネルギーが費やされることを考えると、暗澹たる気持ちにもなるでしょう。

 

地盤そのものが現在進行形でどんどん沈下しているならともかく、そうではない限り、建物の寿命がくるまで二度と沈下修正工事をしなくてもよい工法を選びたいものです。

 

⑥人の健康と環境に配慮した材料を使用したい

 

人体に危害を及ぼす、あるいは地球環境を破壊する材料を使用しては、「知らなかった」「業者が悪い」ではすみません。使用のピーク時からずっとあとになって毒性が証明されたアスベストの例もありますから、最初から疑わしきものは排除しておくのが賢明でしょう。

 

⑦修正コストは低く抑えたい

 

修正工事が一大事業である以上、当然のことです。予算内で収まるようにといっても、どれだけの予算を立てればよいのか、判断できないことが普通ですから、建設会社やコンサルタントといった専門家にも相談しながら、慎重に検討することが大切です。

本連載は、2016年11月25日刊行の書籍『改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9割』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

アップコン株式会社 代表取締役

1985年 武蔵工業大学(現 東京都市大学)建築学科卒業。
1988年 プラット・インスティテュート大学院(ニューヨーク)インテリアデザイン学科卒業。
1989年 オーストラリア・シドニーの大手建築設計事務所に勤務。日本担当部長として新規事業開拓を手がける。
1998年 設計施工一貫請負の会社をシドニーに設立。
2000年 特殊樹脂を使用する地盤沈下修正工法を知り、工法を習得。
2001年 同工法を用いた外資系土木会社の日本法人を設立。代表として、九州で事業を展開。
2003年 4月 独自に研究を重ね、ノンフロン材を用いた小型機械による新工法「アップコン」を考案開発。6月 アップコン有限会社(現 アップコン株式会社)を設立。代表取締役に就任、現在に至る。
2006年 EOY JAPAN 2006 ファイナリスト
2009年 ASPA Awards 2009 Excellence Prize 受賞
2012年 かながわビジネスオーディション2012 審査委員特別賞受賞、低CO2川崎パイロットブランド'11 受賞
2014年 奨励賞受賞(川崎市制90 周年記念表彰)

「夢の扉 ~NEXT DOOR~」(TBS テレビ)、「FNN スーパーニュース」(フジテレビ)、「ホンマでっか!? TV」(フジテレビ)など各種メディアにも多く取り上げられる。

著者紹介

連載沈下問題を抱える工場・倉庫の「トクする修正工法」

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

松藤 展和

幻冬舎メディアコンサルティング

4年前出版し関係者の間で話題沸騰したあの書籍が、「傾いた床」による様々なリスクを追加収録し、 【改訂版】としてパワーアップして帰ってきた! たった0.6度の床の傾きで、業務も傾く! 日本の建物の9割が地盤に起因する歪み…

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