(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。親やきょうだい、あるいは子どもと死後のことを話すのは気まずい…、そんな声は多いものですが、生前対策を怠ってとんでもないトラブルに巻き込まれる例が相次いでいます。そこで本記事では実際の事例を紹介し、相続対策の「基本のキ」について見ていきます。

「なんだって?」兄激怒…妹からの信じられない返答

すると信じられない返事が。「え? あのお金、もう全部ないよ」と言うのです。「なんだって?」と思わず大きな声が出てしまいました。

 

「老人ホーム代に必要だったの。どれだけ費用かかるか知らないでしょ? それだけじゃないよ。お父さん、最後のほうはボケちゃって、あれも欲しいこれも欲しいって大変だったんだから」

 

父は公務員でした。年金も十分にもらっており、「お金が足りない」などということは起こりうるはずがありません。「いい加減にしろ、お前が使ったんじゃないのか?」と問い詰めました。

 

するとアキコさんは激高。兄さんは家のこと放っておいてなんもしてなかったじゃないの、どれだけ大変だったかも知らないくせに、私を疑うなんてありえない、と矢継ぎ早に責め立てます。それなら通帳を見せろ、とツトムさんも応戦します。

 

するとアキコさん、「通帳もない」と一言。ツトムさんは思わず絶句です。妹を思いやる気持ちは一瞬で消え失せ、怒鳴り散らしてしまいました。

 

現在ツトムさんは、通帳が見つからないまま、口座の取引履歴の開示請求を進めています。開示請求は不可能ではありませんが、なかなか骨が折れる作業ばかりとのこと。生前からもっと家族と話し合っていればよかったと、後悔しています。

 

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この事例は相続トラブルの典型例といえるでしょう。ただでさえお金が絡むと揉めるものですが、「介護負担」がもたらすストレスは甚大です。「こんなに頑張ったんだから」と、遺産をすべて手に入れようとする相続人が現れるのは何ら不思議なことではないのです。

 

なお老人ホームには入居形態が様々ありますが、概算でかかる請求額としては、『人生を破滅に導く「介護破産」』に詳しく書かれています。

 

“介護施設の中でも、とくに安く入所できるといわれる特別養護老人ホーム(特養)の場合、利用料金は入所者本人の要介護度と所得によって決まります。

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