夫婦で年金32万円だったが…夫を亡くした70代の元会社員妻、年金事務所窓口の「遺族年金への回答」に思わず涙「あんなに働いてきたのに」

夫婦で年金32万円だったが…夫を亡くした70代の元会社員妻、年金事務所窓口の「遺族年金への回答」に思わず涙「あんなに働いてきたのに」
(※写真はイメージです/PIXTA)

公的な死亡保障である遺族年金。残された家族の生活を支える大切な収入源だが、受給条件や受取額には、制度上、公平とはいいかねる問題があるようだ。実情を見ていく。

共働きだった妻、夫亡きあとの遺族年金額に絶句

専業主婦の友人から年金額を聞いた女性は、最近、最愛の夫に先立たれてしまった。夫に先立たれたという境遇は同じでも、この女性はずっと会社員で、定年まで勤めあげた兼業主婦という違いがある。

 

「私も、遺族年金の手続きに行ってくるわ…」

 

と、友人に向かっていったかどうかはわからないが、年金事務所を訪れ、夫亡きあとの年金について、手続きを行った。

 

元会社員女性の世帯が、夫婦ともに20~60歳まで正社員として勤務し、平均的な給与を手にしてきた場合、夫が手にする老齢厚生年金は月10.3万円程度になる。併給の国民年金と合わせると、だいたい月17.1万円の年金だったと推察される。同様に、妻の老齢厚生年金を計算すると月9.5万円程度。併給の国民年金と合わせると、だいたい月14.7万円になる。

 

夫婦で年金月31.8万円なら、かなり余裕ある生活が送れたことだろう。

 

「では、夫が亡くなったあと、私が受け取れる遺族厚生年金は〈月10万3,000円の4分の3〉で月7.7万円ほど。私の年金と合わせれば、22.4万円。これならゆとりある老後生活が送れる…」

 

しかし、この女性が思い浮かべた計算式は間違いなのである。

 

遺族厚生年金と自身の老齢厚生年金の受給権がある場合、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止される。この場合「自身の老齢厚生年金>遺族厚生年金」なので「遺族年金は1円ももらえない」ということになります。

 

「遺族年金はゼロ円です」

 

年金事務所の担当者の冷静な回答に、女性は思わず反論。

 

「まさか。なにかの間違いでは?」

 

担当者は同じセリフを繰り返す。

 

「いいえ、遺族年金はゼロ円です…」

 

「どうして…あんなに働いてきたのに…(涙)」

 

もうひとつ重要な情報を付け加えておくと、遺族年金は非課税なのに対し、老齢年金は課税対象だ。額面の85~90%が実際の手取り額となる。その結果、大変残念なことに、働いていない専業主婦のほうが多くの年金がもらえる、という逆転現象が起こるのだ。

 

この不条理、怒りのやり場がないだろうが、不公平な仕組みは長年にわたり問題視されているものの、いまのところ制度に変更はない模様。決まりは決まりとして、残念だが、諦めるしかないのだ。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

 

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