(※写真はイメージです/PIXTA)

配偶者を亡くした場合、精神的な負担はもちろんのこと、金銭的な負担も重くのしかかってきます。専業主婦のAさんは、ある日突然最愛の夫Bさんを亡くして憔悴。さらに、夫が亡くなったことで収入も減り「老後破産危機」に陥ってしまったのでした……。そんなAさんの事例をもとに、「遺族年金」のしくみと元気なうちに実践しておきたい対策について、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが解説します。

Aさんは当てはまる?…遺族厚生年金の「加算制度」

Aさんのように、遺族厚生年金の受給者が配偶者である場合、条件によって下記のような加算制度が設けられています。

 

①「中高齢寡婦加算」

次のいずれかに該当する場合、妻が受ける遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間、59万6,300円(年額)が加算されます。これを「中高齢寡婦加算」といいます。

※ 老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときは、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で共済組合等の加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たした方はその期間)以上の場合に限ります。

 

1.夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻。

2.遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のいる妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。

 

妻が65歳になると自分の老齢基礎年金が受給できるようになるため、この加算は終了します。Aさんの場合すでに65歳のため、この中高齢寡婦加算の適用対象とはなりません。

 

②「経過的寡婦加算」

残された妻が昭和31年4月1日以前に生まれた場合、65歳以降に加算されます。ただし昭和31年4月2日以降に生まれた妻には、この加算はありません。

 

Aさんはこの経過的寡婦加算の対象ともならず、遺族厚生年金のみの受給となります。

 

では、Aさんには資産を増やす方法はないのでしょうか。

 

 

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※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
※参考:日本年金機構「遺族年金の制度」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/index.html)

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